■減速は安全性、エネルギー消費、コストパフォーマンスを考慮した結果
広州ABB微連牽引設備公司の李洪ジャー副総経理ら業界筋は中国の高速鉄道の減速は安全性、エネルギー消費、コストパフォーマンスを考慮した結果だと指摘する。第1に、時速380キロで走行できる列車を時速300キロで運行すれば安全性が高まる。第2に、列車の運行速度は速いほどエネルギー消費も多くなる。一定速度に達するとエネルギー消費の増加は速度の増加よりも高い割合で推移する。このため乗車券も高くなり、コストパフォーマンスは下がる。
「速度が高まれば風の抵抗も増す。列車の効率を大幅に高めると同時に、高速運行の要求を満たすために構造設計と材料や部品の品質への要求も高くなる。このため高速運行を続けると、運営コストが大幅に増加する」と羅氏は言う。
たゆまぬ技術進歩によって運行速度350キロを維持し、さらにスピードアップすることも可能と考える専門家もいる。現在の減速は速度面の技術進歩を追い求めないという意味ではない。ABBグループは高速鉄道の牽引設備と圧縮機の研究開発の手を緩めていないと表明している。
「人民網日本語版」2011年5月28日