前書き
平和、発展、協力は現在の世界の潮流である。改革開放いらい、中国は経済グローバル化の趨勢に順応し、対外開放をたえず拡大し、平等互恵の基礎を踏まえて世界各国との経済貿易の協力を積極的に推し進めてきた。長年の発展をへて、対外貿易は中国経済の最も活発で、伸びが最も速い部分の1つとなっており、中国も世界の貿易大国の前列に並ぶようになった。中国の対外貿易の発展は中国を世界とさらに密接に結びつけ、中国の現代化建設を力強く促すとともに、世界の繁栄と進歩をも促すことになろう。 2001年に中国は世界貿易機関(WTO)に加盟した。10年らい、中国経済がグローバル経済に溶け込むプロセスは加速され、中国の対外貿易の活力はいっそう強まった。中国がWTOに加盟して10周年を迎えるこの際、中国政府は白書を発表し、中国の対外貿易の状況を系統的に紹介することにした。
一、中国の対外貿易の歴史的進歩
1949年に中華人民共和国が成立してから、独立自主、自力更生を堅持し、対外経済貿易交流をちくじ展開することになったが、当時の国際政治の環境と国内の計画経済体制などの要素の制約を受け、対外貿易の発展は相対的に緩慢であった。 1978年に、中国は改革開放の新しい時代に入った。対外貿易の発展に大いに力を入れることは、中国が現代化建設を速め、立ち遅れた姿を変え、経済の発展を促し総合国力を向上させる重要な方途となった。30余年らい、中国は世界経済の比較的長期間の繁栄、経済グローバル化の大きな発展のチャンスを利用して、対外開放を拡大し、外国投資者からの投資を誘致し利用し、先進技術を導入し、国内産業を改造しグレードアップし、全面的に国際分業と競争に参加する中で、対外貿易の飛躍的な発展をなしとげた。 ――貨物貿易の総量は世界の前列に並んだ。1978年、中国の貨物の輸出入総額はわずか206億ドルで、世界の貨物貿易の中で32位、それに占める比率は1%足らずであった。2010年には、中国の貨物の輸出入総額は2兆9740億ドルに達し、1978年比で143倍増え、年平均16.8%伸びた。その中で、輸出総額は1兆5778億ドル、年平均17.2%の伸びで、輸入総額は1兆3962億ドル、年平均16.4%の伸びとなった。中国の輸出総額と輸入総額が世界の貨物の輸出と輸入に占める比率はそれぞれ10.4%と9.1%に上昇し、2年連続して貨物貿易の世界で1位の輸出大国と2位の輸入大国となった。
――貨物貿易構造に根本的な変化が表れた。中国の輸出商品の構造は20世紀80年代に初級製品を主とするものから工業完成品を主とするものへと変わり、90年代に入り軽工業・紡績製品を主とするものから電気機械製品を主とするものへと転換をとげ、新世紀に入っていらい、電子と情報技術に代表されるハイテク製品の輸出比率がたえず拡大している。対外貿易の経営主体は国有企業以外に、外資系企業、民営企業なども含まれるようになり、外資系企業と民営企業を合わせた輸出入総額は現在国有企業を超えるに至っている。20世紀80年代から今世紀初めに至って、中国の加工貿易は勢いよく発展をとげ、対外貿易の半分を担っている。中国の対外貿易の発展の中で、外資系企業と加工貿易は非常に重要な役割を発揮している。