対外貿易の発展は中国の現代化建設の進展を促し、中国は開放的な経済体へと成長をとげた。国際分業と競争に参加し、先進技術、設備と管理手法を導入し、外国投資者の直接投資を利用し、中国の技術の進歩と産業のグレードアップを大々的に促し、企業の管理レベルと市場競争力を高めた。加工貿易の急速で大きな発展によって中国の豊富な労働力の比較優位性が発揮され、中国の工業化と都市化のプロセスを速めた。対外貿易が直接もたらした就業人口は8000万人を超え、そのうちの60%以上が農村出身者であり、就業者の収入と生活は目に見えて改善された。対外貿易、国内投資、消費がともに、中国の経済成長の三大エンジンとなっている。 中国の対外貿易の歴史的進歩は国内外の情勢の発展・変化とも緊密につながっている。20世紀80年代前後において、平和と発展は時代のテーマであった。経済のグローバル化がたえず進むにつれて、資金、技術、製品、市場、資源、労働力などの要素は世界的範囲で移動し配置され、さらに活発になっていった。情報、通信を主導とする科学技術の進歩によって生産効率をこのうえなく引き上げ、国際的な産業移転はたえず深化し発展している。経済のグローバル化、科学技術の進歩、国際的な産業移転と各国間の協力の強化などは中国が世界経済に溶け込むために歴史的チャンスを提供することになった。中国政府は時代の潮流に乗って、経済建設を中心として、改革開放を実行し、世界各国との経済・技術の協力を発展させ、積極的、合理的、効果的に外資を利用し、比較優位性を十分に発揮し、国際的な産業チェーン分業の深化を促し、対外貿易発展のために有利な条件をつくり出した。このプロセスの中で、外資系企業、特に多国籍企業は中国で多くの投資のチャンスを獲得し、その資本、技術、管理経験と販売チャンネルなどの要素でその価値が上昇し、中国経済の急速な成長の成果を分かち合うことになった。中国の対外貿易の発展は改革開放、経済のグローバル化、互恵協力・ウィンウィンの道の堅持がもたらしたメリットである。中国の発展は世界から切り離すことができず、世界の繁栄も中国と切り離すことができなくなっている。 中国は依然として、発展途上国である。世界の貿易強国と比べて、中国の輸出産業は依然としてグローバル産業チェーンのローエンドにあり、資源、エネルギーなどの要素の投入と環境コストはまだ比較的高く、企業の国際競争力、いくつかの業種のリスク対応能力は相対的に弱いので、貿易大国から貿易強国への転換を実現するには、かなり長期的な過程があり、並々ならぬ努力を払う必要がある。