日本のセブン銀行代表取締役社長・前日本銀行理事の安斉隆氏
金融におけるクリエイティビティへの評価がコンテンツ産業発展の鍵
周牧之:日本人が貯金を引き出したいと思った時、以前は銀行の支店まで足を運ばなければなりませんでした。ところが、支店が近くにあるとは限らないし、時間的な制約もある。実際はかなり不便でした。それが、安斎会長がATMを生活に密着したコンビニエンスストアに設置したことで、人々の金融生活が一気に変わりました。ある意味、これは消費者の生活に利便性をもたらした金融革命と言えるのではないでしょうか。
安斎隆:消費者のニーズをいかに最大限に満足させるか。これが私の理念です。現在、セブン銀行は16000台のATMネットワークを通して、365日24時間全天候型という大衆のための金融サービスを提供しています。特に、高齢者や行動が不自由な方々には便利だと思います。
周牧之:アメリカで展開されている金融ゲームを考えると、消費者への奉仕という理念は奇特なものです。
安斎隆:利益の過剰に強烈な追求が金融ゲームを破裂させ、それがアメリカの金融危機を引き起こしたのです。このことから、金融は大衆サービスという原点に回帰すべきだと私は考えています。