1.産業空洞化対策に変化
世界金融危機、地震、津波、原発事故など複合災害に見舞われた日本。日本政府は経済復興を速やかに行うため、国内産業政策を見直し、新産業振興政策を制定することに注力している。
最初に日本政府は、産業構造の矛盾と従来型産業発展モデルこそが経済の健全な発展を阻んでいる主要な要因である認識している。国内経済の復興はいま厳しい状況にある。経済産業省の産業構造審議会は2011年9月、6つの問題が日本経済の復興を妨げていることを明言した。高止まりする円高、高すぎる企業税、新興国家の低賃金、環境保全に係る制約、自由貿易協定の遅れ、産業の停滞など、いわゆる「日本経済の6重苦」である。「6重苦」のうち、産業の停滞が経済復興にとって最も手ごわい問題とみなされている。
そのため日本国内の産業構造を見直し、効果のある産業発展の政策を制定することが、政府にとっての落としどころとなっている。労働集約型・設備投資型の従来産業発展モデルは、すでに日本国内の経済、政治、社会において過去の話になっている。つまり現実と制度において著しい乖離が生じているのだ。このような状況において日本政府が選択できる道は、「技術集約型」の産業発展路線だけだ。技術集約型の産業が日本の産業の中で大きな比重と地位を占めるようになれば内需拡大と経済復興が見込まれる。