-----現在、中国は人民元の国際化に向け努力しているが、日本も過去に同様の経験がある。何かアドバイスはあるか?
個人的には人民元が緩やかに上昇していることはいいことだと思う。もちろん製造業の競争力を下げるという一面もあるが、中国人の購買力も高まる。しかし、短期間に人民元が突然急上昇すれば経済発展を妨げることになる。過去10年間で、日本も同様の教訓を得た。
中国政府にアドバイスをするとしたら、人民元の世界市場での自由兌換に向け為替改革を明確かつ着実、緩やかに行うこと。現時点では、中国の国家為替管理局は中国資本の流入と流出を規制しているが、これも今後徐々に緩和させていかなければいけないだろう。こうして初めて人民元の真の価値や国際市場での真の信頼性が反映される。改革を明確に推進するということは、中国の中央銀行が全世界に向けて中国の為替改革の具体的なスケジュールを明確に示し、いつ規制緩和を行うのかを表明することを意味している。当然、いずれの国でもこのような改革を推進する際には激しい論争と抵抗に直面することになる。現在、中国は高度成長期にあるが、もし資本プロジェクトを開放せずに為替改革を行っても、実際の成長を反映することはできない。真に規制を緩和した後の成長こそが、真の競争力を体現する。そのとき、中国の経済成長は恐らくもう7-8%ではなく、3-4%になっているだろうが、それこそが中国経済の真の実力を示している。
「人民網日本語版」2012年1月5日