予想より好調な海外貿易データが人民元値上がりの要因
4月に入ってから、人民元相場の基準値は幾度も最高水準を更新し、対米ドルの上げ幅は累計で700ベーシスポイントに迫る。2013年に入ってから、人民元の対米ドル相場(基準値)は既に900ベーシスポイントあまりも上昇している。2012年通年の上げ幅はわずか146ベーシスポイントだった。人民元相場が対米ドルで小幅に値上がりする中、対ユーロや対日本円での上げ幅は更に大きく、それにより人民元の実質実効為替レート指数は既に6カ月連続で上昇している。
これに対し、招商銀行の金融アナリスト、劉東亮氏は「中国の海外貿易データが市場の予想よりも良好だったことが、人民元の値上がりの主な要因の一つである」との見方を示した。海関(税関)総署の最新データによると、4月の中国の輸出額は前年同期比14.7%増、輸入額は同16.8%増で、市場の予想を大きく上回った。
「しかし、閉幕したばかりの第113回中国輸出商品交易会(広州交易会)の状況をかんがみると、海外貿易の情勢は依然厳しいものであり、海外企業の数にしても、成約額にしても、前年同期に比べ軒並み減少傾向にある」と劉氏は指摘する。
大量のホットマネーの流入は、人民元為替レートにとっても圧力となっている。