◆日本がスタグフレーションの深淵に
ある日本のエコノミストは、「3本の矢が効果を現していないのは、それが日本経済の長期低迷を引き起こした根本的な問題を避けており、深いレベルの構造改革が提案されていないからだ。多くの遠大な目標が羅列されたが、目標を実現するための効果的なルートと措置が示されておらず、企業の要請に対しても積極的に反応していない。例えば日本の業界は、安倍首相の新たな経済戦略が力不足としている。法人税に関する減免措置が計画に盛り込まれたが、業界がこれまで期待していた全面的な減税ではなかった」と指摘した。
日本国内ではこれまでも、改革に対して主に三つの期待があった。一般国民はデフレ解消に期待しているが、インフレも恐れている。日本企業は税負担の低減により、国際競争力を高めることに期待している。世論・知識界・海外投資家は医療・年金・税制などの根本的な改革により、潜在的な成長率を引き上げ、悪化した財政状況を段階的に改善していくことに期待している。
しかし現時点で、アベノミクスは円安でいくらかの収穫を得ているだけで、その他の面では実質的な進展がない。