ABBは中国で圧倒的な優位を占め、その座を揺るがすのは容易ではない。インフィニティが今やらなければならないことは、残る22%のシェアを勝ち取ることだ。今年の成都モーターショー開催前夜、インフィニティ側はメディアに対し、インフィニティブランドの知名度をもっと上げたいと述べた。逆にいえば、今はインフィニティにとって一つのチャンスなのだ。すなわちブランドイメージを新たに樹立し、ブランドの知名度を高めるチャンスということだ。戴総経理も、「第四の高級車を目指すというのは販売量で4位を目指すということではなく、ブランドで4位を目指すということだ」と話す。
そのためインフィニティは次のような努力を重ねている。第一に、国産化された車種をうち出し、中国市場向けに製造している。第二に、新しい命名システムをうち立て、中国の消費者が名前を覚えやすいようにした。第三に、日系化を避けて国際化を強調し、政治的要因によるリスクへの抵抗力を強化している。第四に、ブランドの露出度を高め、ブランドを宣伝するために、これまで以上の投資を行っている。
データによると、今年1-9月のインフィニティの中国販売台数は1万880台で、通年の販売台数は前年比50%の増加率を達成するものと期待される。また戴総経理がディーラーにうち出した販売促進戦略を受けて、インフィニティは前年の在庫係数の高止まり状態に変化が起こり、9月末には在庫がすべてなくなった。現在のディーラーの在庫係数は合理的な水準の1.5ポイントまで回復している。