環境保護産業の高い将来性
中国の環境保護産業は近年、急速に発展しているが、総体的な発展水準はまだ低く、その必要性とは依然として大きな差がある。第一に、革新能力が弱い。企業を主体とする省エネ・環境保護技術の革新体系の整備や産学研(産業・学術・研究所)の結合が不充分で、技術開発への投資が不足している。第二に、政策や制度が不整備で、環境保護投資のさらなる向上が求められている。環境保護への財政支出はここ数年増加しているものの、GDPに占める環境保護投資の比率はまだ低い。先進国の状況から考慮すれば、中国の環境保護投資のGDP比は少なくとも2%から3%である必要があるが、現状はこれとはかけ離れている(2012年はわずか約1.6%)。第三に、既存の環境保護産業・経済の状況が、市場経済発展のニーズに適応できなくなっている。現在の環境保護産業の構造は合理性を欠き、産品の種類が単一的で、一定規模の経済を形成するに至っておらず、多くの企業は小さく分散している。
一方、環境保護に対する国家の重視は、環境保護産業の発展に新たな余地を切り開いている。中国では近年、環境保護関連法規が次々と打ち出されてきた。2004年には「固体廃棄物環境汚染防止法」、2008年には「水汚染防止法」が施行され、2011年には国務院が「『十二五』(第12次5カ年計画、2011-2015)省エネ・排出削減総合措置方案」や「国家環境保護『十二五』計画」を公表した。「戦略的新興産業の育成と発展の加速に関する国務院の決定」では、省エネ・環境保護産業が7大戦略的新興産業の一つに定められ、環境保護への重視がさらに強調された。環境保護関連の法規と政策の強化は、環境保護産業が経済発展の新たな成長分野となることを促し、中国の環境保護産業の新たな発展の道を切り開きつつある。