「賢明」とは、基準値が1000ベーシスポイント切り下げられた後、中国人民銀行(中央銀行)が人民元の対米ドルの基準値の設定方法を改善したと発表したことだ。これは市場の実勢を考慮して基準値を決めることで、市場における基準としての地位と権威性を守るためだ。
中央銀行が8月11日に実施した記録的な切り下げは、為替相場の市場化に背く動きではなく、為替相場を決める市場を尊重し、積極的に基準値と市場の実勢を一致させる動きだった。そのためこれは、2005年の為替制度改革以来の、新たな進展と見られている。国際社会の反応を見ると、人民元切り下げに対する過敏な反応はなく、中央銀行が為替操作を行っているという説はほとんど見られない。これは人民元相場の国際的な駆け引きの歴史において、稀なケースと言える。
為替相場の市場化はさておき、中国経済の基本面と人民元の実効為替レートについて見ていこう。すでに過大評価されている人民元を積極的に切り下げることで、中国経済の安定成長の需要を満たし、人民元の一定の競争力を維持することができる。