「一帯一路」の建設は、中国一国の「独奏」ではなく、沿線諸国の「合唱」である。
エジプト・スエズ運河のほとりの広大な沙漠の中に現在、近代産業を中心とした新たな町が生まれつつある。町の工場や道路は清潔できちんと並び、緑の木や草花があちらこちらにしつらえられ、大型の輸送車がひっきりなしに通っている。見渡す限り少しも草も生えていない町の外の砂漠とはまるで別世界である。この町こそ、中国とエジプトの経済・貿易・産業協力の模範とも言えるスエズ経済貿易協力区である。
スエズ経済貿易協力区は、「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海上シルクロード」の交差する地点に位置する。「一帯一路」と「スエズ運河回廊」が交わる黄金の地点でもある。協力区の最初のエリアである1.34平方kmのエリアはすでに全面的に完成している。2015年11月30日、エジプト政府は、建設を請け負うエジプト泰達(TEDA)特区開発公司に2平方kmの土地の使用権を新たに引き渡した。1月21日には、エジプトを正式訪問した習近平主席が、中国・エジプトスエズ経済貿易協力区第2期プロジェクトの除幕を行った。
「一帯一路」の呼びかけの戦略的な導きの下、2015年9月、中国・エジプト両国は、「中国・エジプト生産能力協力枠組み合意」を締結した。
協力区の発展は現在、現地の情勢の混乱という試練にも耐え、加速段階に入っている。スターティングエリアはすでに、産業規模と技術水準で世界の先頭に立つ多くの中国資本企業を引き付けている。例えば世界最大のガラス繊維メーカー「巨石」の投資は、エジプトのガラス繊維分野での空白を埋めただけでなく、エジプトを世界第3のガラス繊維生産国に押し上げた。生産パークで働くエジプト人はすでに2000人余りに達している。
「エジプト人は、スエズ運河回廊経済ベルトを『エジプトの夢』とみなし、協力区プロジェクトをこの『エジプトの夢』の始まる場所として考えている」と、エジプト泰達特区開発公司の魏建青・董事は語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年2月1日