ショート・ビデオ(短視頻)
あなたが道を歩いていると、女の子が駆け寄って来て言う。「お兄さん、手を伸ばしてみて。いいものをあげる」。そして彼女は手を広げてあなたを抱きしめ、笑顔で「私をあげる。欲しい?」。彼女の手にはスマホがあり、発生した出来事全てをアップロードしていた。これは、ショート・ビデオ専用アプリ「抖音」でありがちなショート・ビデオの脚本だ。
「抖音」とは
「抖音」はその公式ウェブサイトでこう自己紹介している。「新世代に向けた音楽ショート・ビデオSNSです」。しかし実際は、他のショート・ビデオ専用アプリ同様に、ペットや美男美女、お笑い映像もある。若者は「Douyin」で話題になった映像を模範にしながら、様々なバリエーションを作って盛り上がっている。ラップ番組「Rap China」で流した広告がきっかけとなり、今年最も速く成長したショート・ビデオプラットフォームになった。
「易観シンクタンク」のデータによると、2017年第3四半期、スマホのショート・ビデオプラットフォームは大きく3つの塊に分かれている。第1の塊が「秒拍」、「快手」、「西瓜」、「美拍」。第2が「土豆」、「火山」、「抖音」、「鳳凰」。第3が「小影」、「快視頻」だ。この10社は、ショート・ビデオプラットフォーム分野での上位10社でもある。
今年のショート・ビデオ分野での競争は“絞殺戦”だと言う人がいる。プラットフォームだけでなく、コンテンツ生産者も同様である。若者は興味から出発しながら、その後コンテンツで創業しようと考えるようになる。ショート・ビデオで彼らは挑戦の旅に出るのだ。ショート・ビデオには不可欠なもう一つの機能がある。“生放送”だ。
面白いことに、今年に入って様々な生放送アプリの動画ページに“高能時刻”が設置された。“高能時刻”とは、長い生放送が流れている中で最も面白い場所だけを切り取り、ショート・ビデオにする機能である。ショート・ビデオアプリの一般的動画と比べ、すでに有名になっているUP主の“高能時刻”を使ったショート・ビデオのほうが、人気を集めやすくなっている。
とはいえ、ユーザーがショート・ビデオを見る1日平均回数や視聴時間は減少傾向にあるのをどうとらえるべきか。また、優良コンテンツ作る製作者の能力をいかに向上させるか。あるいは、ショート・ビデオのソーシャルネットワークが今後の最前線になるのかどうか。はたまた、ショート・ビデオと生放送の間の結びつきが最終的にどんなものになるのかなど、様々な問題が2018年に持ち越されることになる。