中小企業は日本で重要な地位を占めている。日本の『2019年中小企業白書』によると、日本の中小企業の数は357万8000社で、企業総数の99.7%を占める。また、中小企業の従業員数は全企業の総数の70%を占め、製造業の中小企業は日本の経済・社会において重要な役割を担っている。
近年、国際競争の激化、高齢化の進行に伴い、日本の製造業の中小企業は多くの試練に直面している。それでも、一部の企業は自身の柔軟性を生かし、顧客のニーズに着目し、特定の分野で科学技術イノベーションを強化し続け、技術をさらに磨き、激しい競争の中で優勢的地位を維持している。
小型企業が発展するには、売上高を追求するだけではなく、品質も重視する必要がある。
大きな音の中で、ハードロック工業株式会社のある技術者は、2個のナットを検測機の両端に締め、油性ペンでボルトとナットに横線の印をつけた。この検測機は1分に1800回振動する。9秒後、片方のナットが完全に落ちた。同じナットに交換し、11秒後に再び落ちた。もう片方についているハードロックナットは10分以上経っても全く動かない。
ハードロックナットは日本の新幹線、瀬戸内海大橋、東京スカイツリーなどの重大プロジェクトに広く使用されている。多くの国の高速鉄道プロジェクトもこのナットを使用している。
ハードロックナットは45年の歴史を有し、従業員数は100人ほど、年間売上高は21億円に達する。1960年代、ハードロック工業の創始者で社長の若林克彦氏は安定性の高いナットの需要があることに気づき、研究を開始した。彼はナットの外側にクサビを施し、2層構造のナットを開発した。このナットはきつく締めれば緩むことはない。その後、彼はボルトとクサビを合わせたナットを開発した。