僕らのトヨタは良いトヨタ

タグ: トヨタ リコール 評論 コスト 品質 不具合

発信時間: 2010-03-01 10:51:58 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

トヨタといえば、日本からすれば、戦後復興、経済成長、グローバルニッポン、品質重視、メードインジャパンの象徴であり、総合的に見ればほとんどの日本人が賞賛をするような模範的企業とも言えます。。。。いえ、そう言えました、少なくとも今回のリコールに関わる一連の問題が発生するまでは・・・。

 

今回のこの米国で始まったトヨタリコール問題についてタイムリーな話題ですので、この問題が今後の企業戦略にどのように影響しているのかすこし考えてみました。経営戦略ならびに僕としてのこの問題の解釈と、またその中国というマーケットとの関連をみてみましょう。

 

トヨタ自動車の歴史や、今回の事件のニュース的な具体事象は、ブログを御覧のみなさんには、他のソースを参照していただくことにして、ここで僕が細かく説明するのは省きますが、経営学的には、トヨタは間違いなく非常に多くの功績をのこしている企業であります。それこそ、JIT(ジャストインタイム)、カンバン(KANBAN)や改善(KAIZEN)などは、経営学に触れたことのない方でも知っているほど、新しい経営管理手法を生み出してきました。そしてそうした努力が結果として、トヨタの世界的な成長のパワーの源となっていったのはいうまでもありません。

 

そして、今回の事件は、これまでのトヨタの歴史として、トヨタクオリティーを信じて疑わなかった米国そして世界の消費者の信頼を裏切ったからこそ、これまで多くのリコール問題をおこしてきた企業よりも問題視されることになっているのだと思います。

 

問題発生後の対処の問題が後手に回り、対処に慣れていなかったとする有識者の見解もあると思いますが、僕自身としては、その対処は「それなり」のレベルであって、それよりも、予想以上に(トヨタ自身が予測していた以上に)消費者がトヨタブランドに信頼をよせ、そして、今回の事件はその信頼とのギャップがあったことが原因であると思います。問題発生後に「危機管理能力を発揮させる必要が・・・」という意見を提言されている方もいらっしゃいますが、これだけの大きなグローバル企業が、実際に今回のような偶発的「reputation(噂・イメージ)」的危機に事前に直面せずに、それに備えてあらゆる準備をできるということは不可能に近いはずです。もし、その準備をするのであれば、それは、コスト(たとえば、より精緻な検品技術の開発コストやリコールに即に対応するための在庫コストなど)を押上げ、ましてや各国にまたがっての各国でのまちまちなこうしたコスト上昇は、却ってグローバル企業という巨体として、明らかに競争劣位になってしまうことになりかねないと思います。

 

すなわち、僕としては、これまでのトヨタのリスク管理コストは十分合理的で、妥当なレベルでの「準備」があったと思っています。

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