ところで、世界に眼を向ければ、ドイツもつい数カ月前に政府方針の大幅な変換がありました。それは、ドイツ経済が下向きになる中で、国民雇用を守るためにこれまで開放的だった移民政策を閉鎖的にしようというものでした。これが他のあらゆる政策にも反映されるかはまだ検討されるところと思いますが、ひとつの方針の転換でありました。資本主義、先進諸国の没落とともに、各国がナショナリズムへと傾いてきている傾向か如実に現れてきているようなひとつの例でした。
さて、日本はそもそも閉鎖的であると言われていた中で、これよりもさらに内向きの志向になることは、どのようになっていくのかを予測し、適正に対応することが政府として重要となってくると思います。
日本がの若者がいま持ち始めたその「国家貢献動機」というものを、もし国家が何か受容する用意をしなければ、誤ったエネルギーの爆発となり、それは、「極度のナショナリズム」へと傾いていくかもしれません。その先にあるものは・・・、歴史がいくつかを語るところです。そうではなくて、それを前向きに活用すれば、大きな社会生産性・効率性の増加につながります。
いま、まさに、日本の中に沸き起こる「強いナショナリズム」の台頭を感じます。これは良い側面、悪い側面ともに有します。日本政府がその受け皿の準備に対して無策である中、近隣諸外国の政治情勢の混沌を背景に、それが外部を感じるが故に国民としての所属意識を高め、またさらに「ナショナリズム」を強くさせる方向に働いています。
歴史に左右されることなく情熱的に動く若年層はまさにこれからの社会のムードの有効な指標です。
最後に。暦の上ではまもなく12月になろうとしています。日本では「師走」と表現される年末です。中国では農暦(旧暦)に基づいて春節が大きな一年の節目となりますが、日本においては、1月1日の元日が一年の始まりであり、その前の年間総括の月として12月は重要な月であると言えます。これから今年最後の一カ月です、僕は政局として極めて悲観的な状況であると思いますが、敢えて希望をもって、日本は健全な方向に国民意識を向ける施策を政治が表明することを期待しましょう。
中国のみなさん、外交上いろいろあったこの一年最後の一カ月の「追い込み舵取り」が日本政府からどのように出てくるのか、ぜひ見守ってみてください。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年11月30日