第37回 チョコレートを贈って「愛」を伝える~バレンタインデー日中の違い~

japanese.china.org.cn  |  2009-02-16

第37回 チョコレートを贈って「愛」を伝える~バレンタインデー日中の違い~。

タグ:チョコレートを贈って「愛」を伝える~バレンタインデー日中の違い~,井出敬二

発信時間:2009-02-16 11:44:13 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国では「情人節」として、日本でも「バレンタインデー」として、2月14日にいろいろなプレゼントがやりとりされていますが、日中でいろいろ異なるところもあります。

1. 贈る人は誰か

日本では女性が男性にチョコレートを贈って愛を告白することになっています(少なくともごく最近までは男性が贈ることはなかった)。日本では、冗談半分に子供(早ければ小学生)の間でもプレゼントをしています。バレンタインの風習が日本で初めて提唱されたのは、1932年、あるお菓子会社によると言われています。しかし、私が小学校の頃(1960年代後半)もバレンタインデーについて全く聞いたことはありませんでした。1970年代以降から、プレゼントをするのがはやりだしたと思います。日本では、本当の恋人に贈るチョコを「本命チョコ」と呼びます(中国語で「真心巧克力」とよぶと聞きました)。恋人でなくても、女性が職場の男性に贈ることもありますが、これは義理で贈るので「義理チョコ」といいます(中国語で「人情巧克力」とよぶと聞きました。恋人の「情人」をひっくりかえして「人情」という名前をつけたのは面白いですね)。女性どおしで贈る場合もあり、それは「友チョコ」と呼ばれます。本年は、成人女性の73%がチョコレートを贈るつもりがあるという調査結果もあります(調査会社マクロミルがインターネットで調査した結果)。自分が食べるために買う場合もあります。

但し、近年は、日本でも男性が女性に贈ることも提唱されており、これは「逆チョコ」と呼ばれるそうです。私は今年初めてこの「逆チョコ」という表現を知りました。これはお菓子業界が「女性だけでなく男性の需要も掘り起こそうと力を入れている」ことが背景にあるそうです。「『逆チョコ』を盛り上げようと(某社はチョコレートの)パッケージのデザインを鏡に映したように反転させて表示した限定品を今年初めて発売した」(1月16日付朝日新聞記事『チョコ商戦 狙うは男』)。成人男性の16%が「逆チョコ」を贈るつもりがあるという調査結果もあります(調査会社マクロミルがインターネットで調査した結果)。別の調査では、男性に「女性にチョコレートをあげても良いか」と尋ねたところ、72%が「あげてもよい」と答えたほか、「女性から『チョコレートがほしいな』と言われたらどうするか」との問いには、90%が「あげる」と答えたそうです。贈る時の気持ちについては、「感謝」が61%、「友情」が40%、「愛情」が24%、「シャレ」が26%だったそうです。贈られる側の女性の反応についても調査したところ98%が「もらえたら嬉しい」と答え、贈ってくれた男性の印象については「気が利いている」が66%、「すてきだ」が44%だったそうです(日本のお菓子メーカーの調査。2月13日付読売新聞)。

渋谷のあるデパートでは、紳士服売場に「メンズショコラスタンド」というのができました。これは男性がゆっくりおいしいチョコレートを選ぶための場所だそうです。

これに対して中国では通常男性が女性にプレゼントを贈ると聞いています。

上海サーチナ(サーチナ総合研究所)が昨年11月に、北京、上海、広州で各150人、合計450人の男性に、バレンタインデーに女性に贈り物をするかについてアンケート調査したところでは、以下の結果がでました。

また同様に、北京、上海、広州で各150人、合計450人の女性に、バレンタインデーに贈り物を男性から貰うかについてアンケート調査したところでは、以下の結果がでました。

以上は、北京、上海、広州という都市部での調査なので、農村部ではこれほどバレンタインデーの習慣が広まっているかどうか分かりません。少なくとも都市部では、急速にバレンタインデーの習慣が広まっているようです。

欧米では男女がプレゼントを贈り合うそうです。

日本だけが、女性から男性に贈ることになっていました。日本ではそのため、男性が女性にお菓子をプレゼントをしてお返しをする「ホワイトデー」という日が、3月14日に設けられています。これも日本で始まった独特の日だそうです。

バレンタイデーもホワイトデーも、お菓子業界が販売促進目的で盛り上げている側面はあります。

なぜ、日本ではバレンタインデーが、女性から男性に愛を告白する日になったのでしょうか?それはよくわかりませんが、ふだん、女性が男性に愛を告白することがしにくい雰囲気があるということで、お菓子業界がそのように宣伝を始めたことが背景にあるかもしれません(あくまでも私の推測です)。

 

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