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専門家が語る金融危機 日本野村総合研究所の谷川史郎常務にインタビュー
発信時間: 2008-11-25 | チャイナネット

――野村HDや三菱UFJフィナンシャルグループによる米国の金融大手の部門買収についてご意見をお聞かせください。日米の企業文化は融合しにくいと言われますが、それは企業の編成・運営に問題をもたらすのでしょうか。

これだけ大規模な海外とのアライアンスというのは、日本の金融機関としては初めてです。MUFGはモルガン・スタンレーに20数パーセントの資本参加をします。一番難しいのは、モルガン・スタンレーの資産評価はどうやって適正に行うかということですね。

野村證券がリーマンブラザーズのヨーロッパとアジアの人員を野村グループの中に取り込むということはM&Aとも少し違いますね。事業そのものを買ったのではなくて、人材を取り込むという形をしているのです。ヨーロッパとアジアのオペレーションを買っているので、国籍でいうとアメリカ人よりもたぶんヨーロッパとアジアの人が多いです。野村證券のヨーロッパオペレーションの職員は1000人ぐらいで、ヨーロッパのリーマンブラザーズの社員は2000数百人。今回の買収は以前より倍以上の人をいっきに組織の中に取り込むことですね。成功させるためには、文化的に融合するというより、オペレーションのイメージからすると、リーマンブラザーズのオペレーションそのものを上手に生かしていくことをやるのじゃないかと思います。

 

――日本の高度成長期にも日本企業が盛んに海外買収を行いました。当時の海外進出は成功しなかったですね。今度の買収と前回のそれと比較することができますか。有名なペブルビーチやロックフェラーの買収が失敗した原因はどこにあるとお考えですか。

ペブルビーチやロックフェラーの買収が失敗したことについて、いろんな見方があると思いますけど、前は企業を買収したというよりも北米の資産を買ったところが大きく、買った時の価格が高すぎて、オペレーションのなかで利益がなかなか出し切れないという問題があった。今回やっているのは事業そのものです。資産より人を買うというまったく新しいスキームであり、特にリーマンブラザーズの人材を買うというアプローチは、日本でも非常に珍しいやり方です。そういう意味では難しいところはかなりあると思います。

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