1995年(平成7年)に発生した阪神大震災
中国人は長年にわたり、日本では自然災害は非常に多く、中国をはるかに上回っていると考えてきた。台風や地震、火山爆発、津波などの地質災害が頻繁に発生し、多くの死傷者や財産の損失をもたらしてきたことは否定できない。だが、関係機関や学者が長期にわたって中日の自然災害の発生率や程度を比較したところ、中国の自然災害の深刻さはすでに多年にわたりGDP比で日本を超え、世界のトップクラスにあることが分かった。2010年、中国国内では自然災害が頻繁に発生した。年初の西南部の大干ばつ、4月初めの玉樹地震、さらに今夏の大規模面積にわたる洪水、舟曲の土石流……。いずれも心痛むものであり、損失も巨額に上ったが、日本にはこれほどの規模の災害は発生していない。
舟曲県の土石流被災地
50-00年、中国の災害の損失はGDPの5-7%を占めたが、日本はわずか0.5%だった。当時の中国の損失はGDP新規増加分の20-50%、財政収入の30%を占め、それ以前に比べ5倍増大。洪水災害による損失がGDPに占める比重は現在、日本は0.6%だが、中国は3%以上である。
98年を例にすると、日本では自然災害による死亡者と行方不明者は121人、倒壊また浸水家屋は1425戸。一方、中国の同年の洪水は、影響範囲が広く、被災時間も長く、災害は深刻で、全国29の省(自治区・直轄市)が程度の差はあれ被害を受けた。被害を受けた農地面積は2229万ヘクタール、被災地は1378万ヘクタール、被災者は2億4000万人、死亡者は4150人、倒壊家屋は685万戸、損失は4300億元。ここから、98年には洪水という1つの災害による損失が日本の災害全体をはるかに超えていることが分かる。
05年、浙江省では自然災害による直接的経済損失が441億6000万元に達し、全国の5分の1、同省の同年の域内総生産の3.3%を占め、被災者は累計延べ2778万1000人に上った。平均して2人に1人が被災したことになる。米国と日本の自然災害損失の対GDP比は0.2-0.3%だが、浙江省では先進国より10-15倍も多い。06年にアジアで最も多数の被災者を出したのは中国であり、日本では洪水や台風で被害を受けたのは約2万6000人、161人が死亡したが、中国よりはるかに少なかった。
地震がもたらす損失は最大、死亡者数も最多である。日本は太平洋プレート上に位置し、地質構造が極めて複雑であるため、地震が毎年延べ4000-1万回、体感地震は約1500回発生している。1923年の関東大震災の死者は13万3000人、95年の神戸大震災の損失は1000億ドル、死者は6000人。中国では国土の40%以上がマグニチュード7以上の激震発生地域であり、同地震の発生は世界の30%を占めている。1900年代、中国の震災の死者は世界の53%を占めていた。76年7月28日に起きた唐山大地震は7.8クラスで、死者は24万人、損失は100億元。99年の台湾の9.21大地震では死者は約1000人。08年の中国汶川地震は8.0クラス、死者は6万9130人、行方不明者は1万7824人。被害の程度は地震本来の差異はもちろん、建築などの品質と大きな関係がある。