日本企業が中国で勝つための「体」とは?

日本企業が中国で勝つための「体」とは?。

タグ: 日本企業 日本人 北京 インタビュー 中国 勝つ 川崎貴聖

発信時間: 2010-09-03 14:15:19 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

コンサルティングというお仕事について、簡単に教えてください。

弊社は経営コンサルティング会社です。日本企業を主要顧客として、クライアント様の中国市場参入戦略の構築支援、「内販」拡大のための中国事業戦略の立案、中国企業のM&A支援等のサービスを提供しています。弊社の特徴は、クライアントと「伴走」しながら、次から次へと生じる経営課題を二人三脚で解決する点です。そして、個別ソリューションの暫時的提供にとどまるのではなく、複数の経営課題の解決を包括的に支援いたします。実際、一度プロジェクトの委託を受けたクライアント様からは次のプロジェクトを発注いただけることが殆どです。中には、参入戦略の立案--中国企業の買収支援--買収後の統合支援--事業拡大に向けた事業体の抜本的改革まで、数年にわたってお付き合いさせていただいているクライアント様もおります。

現在はコンサルタントかつ総経理としてご活躍されていますが、難しいと感じることは?

コンサルタントと総経理の二つの役割を同時に担うことは、やってみてその難しさに気付きました。かつて弊社グループ代表がコンサルティング会社のリーダー像を「プロの棋士であると同時に、将棋連盟の会長でもある」と表現しておりました。まさしくその通りでして、似て非なる役割を同時に要求されるものだと感じています。それぞれの立場において物事の優先順位はがらりと変わりますし、一人称の場合と三人称の場合の自分のそれぞれの言動に矛盾を感じるなど、悩むことはしょっちゅうです。

また当たり前のことですが、社長を勤めているわけですので、自分の言動・行動が会社を代表するということの重みも四六時中頭を離れることがありません。実際は、周囲の人の助けを得ながらなんとかやっている状況です。

川崎さんが初めての中国出張の日の写真です。

逆に、仕事の中でやりがいがあると感じたことは何ですか?

中国で経営するということを頭ではなく肌で体感できる点です。少人数の会社に過ぎませんので、偉そうに分かったなどと申し上げるつもりはありませんが、中国で経営することの難しさを実感したり、常に中国人スタッフから背中を見られる感覚を持ったりと、やってみて初めて経験することがいくつもありました。また、スタッフの成長を自分の喜びとして感じる感覚や仲間の頼もしさを強く感じるようになったのも、やはりこの立場に就いてからです。

コンサルタントとしての立場でだけではなく、同じく中国で経営する者としての立場で相談を受ける機会も本当に増えました。そして、かくいう自分自身もそのような相談相手が欲しいと強く願った時があり、その瞬間、ここ中国での経営コンサルティングという仕事の大切さを実感することができました。

今では、どんな規模であれ、中国で社長を務めている方々に対して、以前よりも遥かに強い尊敬の念を抱くようになりました。そして、その方々がもしも中国事業の経営で悩んでいることがあれば、全力をかけて何かをお手伝いさせていただきたいと心から願っています。

日本企業が中国でやっていくなかで、難しい点は何でしょうか?

まず、前提認識をお話したいと思います。中国ビジネスの難しさはいろいろと言われていますが、多くの場合において日系企業側の意思や取組み次第でなんとかなるところがあると信じています。誰もが知っているように中国市場は急成長し、かつ、ボリュームも桁違いに大きいです。そして、その市場で大成功を収めているプレイヤーは内資、外資を問わず数多くいます。それでも日系企業で成功しているところは少ないわけです。これでは、日系企業側に何か問題があると結論付けざるを得ないと思います。

一般化するならば、日系企業には3つの問題があると認識しています。「中国事業のリーダー不在」「中国法人の権限・責任の低さ」「中国人登用の仕組みの脆弱さ」の3つです。これらが中国市場での成功を難しくさせていると認識しています。乗り越えられないハードルが中国に存在しているわけではありません。3つの問題をきちんと解決できれば、一見高そうなハードルであっても飛び越えていけると思っています。

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