朱実:中日国交正常化直前の「バレエ外交」体験談

朱実:中日国交正常化直前の「バレエ外交」体験談。

タグ: 朱実 中日国交正常化 バレエ外交 体験談

発信時間: 2010-09-08 10:30:21 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

写真(上):バレエ『白毛女』

写真(下):交流をする中日のバレエ出演者

バレエ団は7月4日に北京を出発し、香港経由(当時、北京-東京間の直行便はなかった)で5日に東京に着く予定だった。しかし、その時、日本では大きな政局変動が起きていた。中国を一貫して敵視していた佐藤栄作政権が終焉を向かえ、田中角栄首相の時代がやってきた。田中首相は就任後の記者会見で、「自分の就任後の重要な使命は中国との国交正常化である」とはっきり表明し、すぐに準備に取り掛かった。これは正に中日関係を回復する千載一遇のチャンスである。周恩来首相はただちに、日本とより積極的に協議ができるよう、友好協会の副秘書であり、日本通で知られ、日本への留学経験もある孫平化氏をバレエ団の団長として任命し、バレエ団を率いて東京に向かった。

日本の旧友の仲介もあり、孫平化氏は多くの日本の政界や財界の要人と話をすることができた。8月11日、大平外務大臣との会談中に、田中首相が両国の国交正常化のため、訪中する旨が伝えられた。翌日、中国の姫鵬飛外交部部長は即座に、中国を代表し、「周恩来首相は田中首相の訪中を歓迎する」と答えた。このようにして、田中首相の訪中は条件も整い実現間近の段階にきた。日本国内の右翼勢力の反対を抑え、8月15日、田中首相は孫平化氏および肖向前氏と会談し、周恩来首相との会談が実りの多いものとなることを願っていると述べた。

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