日本独自開発「準天頂」 アメリカ依存からの脱却

日本独自開発「準天頂」 アメリカ依存からの脱却。

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発信時間: 2010-09-20 14:07:05 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

9月11日、初の独自開発による日本版GPS(全地球測位システム)となる準天頂衛星1号機「みちびき」が、H2Aロケット18号機で種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)からの打ち上げに成功した。「みちびき」が問題なく運用できれば、日本は更に2基の準天頂衛星を打ち上げ、衛星測位システムの実用化を目指す予定である。

日本はアメリカの同盟国である。また、アメリカのGPSは日本を含めた地球全体をカバーしている。それでも、日本はなぜ独自の衛星測位システムを開発する必要があるのだろうか。

その主な理由としては、アメリカのGPSが既に日本国民の生活の中に深く浸透しており、このような依存が日本にとっては非常に危険だからである。予期せぬ事態が発生したときの為にも準天頂衛星3基の実用化を可能にし、いずれは自前の衛星測位システムを保有する必要がある。現在、準天頂衛星はまだ、アメリカのGPSに依存しなければ完全な測位が不可能である。しかし、計画によれば、いずれは準天頂を中心とする独立した衛星測位システムを確立できるだろう。

世界において、GPSは軍事目的で使用されるほか、民間での利用も爆発的に広がっている。カーナビシステムを例に挙げてみても、アメリカ、日本、ヨーロッパなど多くの国に広まっている。なかでも日本のカーナビ技術は世界トップレベルだ。これは日本の地理的な特徴や歴史と深い関係がある。欧米諸国に比べ、日本は国土が狭く、人口密度が高い。また、日本の現代都市の多くは昔の城下町からそのまま発展してきているので、歴史が非常に長い。古くからある道路は密集しており、構造も合理的とは言えない。多大な費用をかけて全てを整備する事ができないので、大都市にはそのまま昔からの複雑な交通網が残っている。カーナビ技術の発達は日本にとっては必然の成り行きであったと言う事になるだろう。日本は1992年から大規模なGPSナビゲーションシステムの開発を始め、現在の毎年の販売量は数百万にも昇る。それだけでなく、新車の80%以上はカーナビシステムが付いた状態で出荷されている。

アメリカの測位システムが地球全体に浸透するにつれ、GPSは世界中の人にとって、なくてはならない情報源のひとつとなった。関連する製品やサービスの普及の速さは凄まじいもので、一大産業と化している。また、衛星測位システムは軍事的価値も高く、一国の国防と安全保障にとっては貴重な技術である。世界最先端の航空宇宙技術を有している日本としては、出遅れることは不本意である。価値の高いマーケットを失う訳にはいかず、国の安全保障面で完全に他国に依存する訳にもいかない。その為、独自の衛星測位システムを開発することは日本政府の目標であり、自国周辺の上空をカバーできるだけの衛星測位システムを保有することは必要不可欠なこととなっている。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年9月20日

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