10月28日、日産はエンジンを制御する電源装置に不具合があるとして、世界で販売された214万台をリコール。10月25日、ホンダはブレーキ関連の不具合が生じる恐れがあるとして52万8000台をリコール。更に、10月22日、トヨタも燃料ポンプやブレーキ装置に不具合があるとして、150万台あまりをリコール。日系自動車メーカーのトップ3がリコールした合計台数は400万台を超える。
自動車部品の「脱線」
トヨタとホンダは今回のリコールについて、問題の車両は主にブレーキの燃料ポンプの不具合と液漏れであり、その原因となる部品は両者とも同じ所から買い入れたものだった。
10月22日、トヨタは国土交通省に対し以下のように説明した。「リコールの対象となった150万台の車には2つの大きな欠陥がある。まずは、燃料タンク内のポンプの電線に使用した素材が原因でブレーキ装置が潤滑不良となった。そして、ブレーキ液が漏れやすいことも問題であり、そのまま使用を続けると制動力が低下する恐れがある。」ホンダもまた、「従来使用していたものとは違うブレーキの潤滑油を使用した車両は、液漏れの可能性があり、制動力の低下を招き、安全性に問題がある」と述べた。
日産はというと、28日に国土交通省に提出した申請書によれば、このたびリコールの対象となった車両は、エンジン制御用電源リレーにおいて、リレーに内蔵されているダイオードの製造方法が不適切なため、導通不良となるおそれがあり、そのままの状態で使用を続けると、エンジン始動不良や走行中にエンストする恐れがある。
業界関係者の話によると、日系の自動車企業は世界へ進出していくうちに「生産コスト地獄」にはまった。部品の生産方式は、これまでのプラットフォーム型の戦略からモジュール化が進み、生産コストを下げる為、自動車メーカーは1つの部品を全車種で利用するようになった。しかし一方で、品質をコントロールするリスクも高まった。また、自動車メーカーが現地で営業をする際に立ちはだかるサプライヤーや労働制度、市場参入の基準と言った制約の壁が、現場において上手く生産方式を活用できない要因でもある。生産過程において、もしある部品に不具合が生じた場合、生産ライン全体に影響を及ぼすことになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年11月3日