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日本人は社会の中での人間関係や自分の役割を重要視するあまり、家庭やその中での自分の役割を軽んじる。このような日本人の特徴は社会の変化によって助長され形を変えていった。福建省泉州市の新聞紙『東南早報』が伝えた。
2007年の日本の警察関係のデーターによると、殺人及び殺人未遂事件は1052件発生している。うち親族内での事件は503件と約半分だ。肉親に手をかける事件が多発し、様々な方面で論争を呼んでいる。なかでも何も気にせずベラベラと失言する亀井静香金融担当大臣の言葉は大きな波紋を読んだ。彼は家族内殺人事件が増えた原因は、日本の大企業が「人を人として扱わず、益々薄情になったからである」と述べ、責任を取るよう名指しで経団連を批判した。この発言は経済界の大きな反発を招いた。しかし、以前警察庁の高官だった亀井大臣の度胸はたいしたもので、発言を撤回する様子は微塵もない。
日本で家族内殺人が多いのはなぜなのだろうか。佐藤弘弥氏は「家族内殺人事件の社会心理学的考察」と題したコラムで、その原因についていくつかの社会的背景を取り上げている。簡単に言えば、日本独特の「核家族」における家族間のコミュニケーションは少なく、結びつきは薄い。また、都市と地方との格差や富裕層と貧困層という二極化が進んでいる。他にも、教育においては人間の心を培うと言う教育本来の目的が忘れられていることや世界中でテロと戦争が蔓延していると言う暴力の影響もあるという。
私が日本の家族内殺人に注目し始めたのは、2007年が始まってまだ半月も経たない頃だった。メディアでは毎日違う家族内殺人事件のニュースが報道され、なかでも特に注目されていたのは、いわゆる上流階級で起こった2件のバラバラ殺人事件である。1件目は美人のセレブ妻がモルガン・スタンレー・グループの社員である夫の頭をワインの瓶で殴って殺害した事件である。バラバラになった死体の一部は新宿の某日本語学校の近くに捨てられていた。マスコミはすぐに事件をセンセーショナルに扱い、中国の裏社会が関与しているだとか、被害者は中国から密入国した者だとか、抜群の想像力を発揮したのだ。この点に関しては日本のマスコミは筋金入りだと感じる。後の調査でセレブ妻は家庭内暴力を受けていたと告白し、お互い不倫相手が居たことも認めた。高級住宅街に住む裕福な家庭で起きたこの悲惨な事件は人々の注目を浴びた。