ネットの中の人生に溺れる
結婚の問題を見てみると日本人のオタクっぽさはよく表れている。日本国立社会保障人口問題研究所が5年前に行った全国調査によると、30~35歳の女性のうち27%が男性と親密な関係になったことがないと言う。ある女性誌に毎日のように寄せられる手紙の中にはこのような質問をする30代の女性が居ると言う。「今まで一度も男性と付き合ったことがないのですが、両親は結婚しろとうるさいのです。どこに行って相手を探せばよいのでしょうか。」
35歳になる幸子さんもその一人だ。大学卒業後、会社で10数年、一生懸命働いてきた。キリッとしていて、仕事ではしっかり者の彼女は自分のことになるといつもうまくいかないと言う。彼女は「会社の景気は年々悪くなり、いつやめさせられるかも分らないこの世の中で、恋愛して結婚する勇気なんてない」と言う。結婚は急いでいないと口では言っている幸子さんも15年前には同級生に片思いをする少女だった。「バレンタインデーに彼の住んでいる寮に行って、直接チョコレートを渡しました。私のチョコレートを受け取ってくれたので、きっと良い返事を期待できると思って、ホワイトデーを楽しみにしていました」と幸子さんは思い出を話してくれた。お返しはすぐにきたが、パソコンで書かれた「恋愛には興味がありません。誰とも付き合う気はありません。」の文字が添えられていた。
度胸も根性もない周りの男性を見ていると、彼らは本当に甲斐性なしだと幸子さんは思う。メールはひっきりなしに来るけれど、返信したところでどこか距離があると感じてしまう。彼らとはこれから先もずっと、これ以上深く関わり合うことはないだろうと幸子さんは思っていた。強い結びつきを失ってしまった人々は、ネットの世界の底知れない「内向的」な闇にはまってしまう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年12月14日