これは一体どういう意味なのだろうか?この小売企業は新規店舗をオープンする事などできず、利益が上がらない店を閉めるなど、むしろ縮小路線を歩まなくてはいけない。儲けが出ている店舗でもコスト管理を厳しく行い、必ず売れると確信できる商品以外は一切出さない。従業員も臨時雇いの社員はなるべく取らず、正社員でも契約社員(臨時雇いのもうひとつの呼び方)にできる者は、そちらに契約を切り替える。
「不景気なら、この歳になれば何度となく経験してきた。しかし企業はがんばって乗り越えてきたのだ。日本経済の不況が10年も20年も続くなんて思いもしなかった」と社長は言う。
経営者は気力を失い、従業員は意気消沈する。10年前は中堅社員だった志村さんも退職の年齢になった。数千万円の退職金を手にした志村さんを見ると、きっと車の買い替えにでも使うのだろうと思うかもしれない。しかし、駅で見かけた彼は1.4リットルの軽自動車に乗っていた。「自動車はただの移動手段だから、節約できて地球にも優しいコンパクトカーに替えたよ」と志村さんは言う。日本は65歳になるまでは年金を受け取れないと言う。残りの5年間の生活は、企業が一括で支払った退職金に頼るしかないのだ。生活が緊迫するほどではないが、後がないため自由に使えるお金はなく節約できるものはするしかないのだ。 (続く)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年12月14日