① 貿易・通関上の問題点
各税関において法制度やHS コードの解釈に違いがみられるなどの問題が発生している。税関の窓口が十分な対応ができず、手続きにおいて混乱を招くケースが多発している。通関に伴う規制・制度の変更を実施する場合は、十分な準備期間を確保するなどの対応をしていただきたい。
・ 2010 年はレアアースの対日輸出制限をはじめ、日本向け輸出を中心に通関時の開梱検査を100%実施するなど、税関の対応が突然大きく変わった。100%開梱検査自体は制度上不当なものではないが、生産活動に関わるサプライチェーンが最小限の在庫を前提として運用されている現在、突然の運用変更は企業の生産活動に大きな影響を及ぼす。明確な審査基準による運用を要望したい。
・ 商品輸入時のHS コードの取得に多大な時間を要するケースや、税関での保税原材料の輸出入管理(手冊管理)が煩雑かつ画一的などの問題が存在する。手続きの簡素化を要望したい。
・ 輸入ユーザンス(輸入延払)に関して、輸入約定日・通関日より90 日を超える場合、金額に関係なく外債登記が要求される上、同年の輸入延払の年度累計発生額を原則前年度の輸入支払総額の25%以内に抑えなければいけないなど、管理強化に伴う手続きの煩雑化の問題などが発生している。手続きの簡素化ならびに国際慣習を考慮した対応をいただきたい。