⑤ 省エネ・環境産業・市場の現状と問題点
・ 中国政府は基本的に省エネ・環境関連政策・法律を公表しているものの、関連実施細則の整備や解釈の明確化は依然として進んでいない。また政府内の担当窓口が定まっていないことも問題となっており、特に規制の問い合わせ窓口の明確化を要望したい。
・ 第11 次五カ年規画より、中国政府は省エネ・汚染物排出削減目標を揚げている。最終年である2010 年は目標達成のために工場への電気供給制限が突然一律、かつ、強制的に課せられ、工場の稼動の低下や停止を余儀なくされる状況が発生した。対応の改善を要望したい。
・ 省エネ・環境関連ラベル制度における認証、試験、ラベル添付等に時間やコストが掛かる関連法規・標準の効率化を要望する。例えば、「環境配慮製品」として、一つの省エネラベルに統合すること及び多地域間の相互認証を認めることで認証業務、工場監査、製品検査などの対応を合理化することを要望する。
・ 中国政府は電子情報製品汚染制御管理弁法(中国版RoHS)の検討(新管理弁法の制定・重点管理目録の制定・対象製品の追加、3C 認証実施規則、国家推薦電子情報製品自発的認証制度の創設等)に際して、制度設計全体が分かりづらいものとなっていることを十分に認識いただきたい。その上、今後とも外資企業に対する十分な説明、手続きの透明性、公正性を確保するとともに、引き続き日本企業の意見を聞く機会を持っていただきたい。
・ 廃棄電器電子製品回収処理管理条例(中国版WEEE)の本格的な実施が遅れている。中国政府は、対象製品の範囲、基金徴収・補助金交付の対象及び金額、基金徴収の起算点及び開始時期、地方政府の回収処理管理計画などの情報を開示し、より透明性、公正性が確保された中で検討を行っていただきたい。また中国政府は、日系企業をはじめとする外資企業の意見を聞く機会を持つよう強く要望したい。