② 税務・会計上の問題点
・ 現在、中国における税法、税務通達の多くの解釈および適用に当たっての最終判断は税務当局によってなされる場面が少なくない。しかしながら、中国各地によってその運用が異なる場面があるとともに状況によっては窓口担当者によって異なる対応が存在する。納税者の立場からは、個別税務問題については税務局内部での共通認識を持って対応頂くことを強く希望する。
・ 増値税、営業税、消費税に対して2009 年に新しい暫定条例が施行された。新しい増値税法のもとでも仕入増値税の不還付についてはこれまで同様に、輸出企業は不還付率より生じるコスト負担を強いられることになる。当該不還付率の設定については、突然変更されることが少なくないため、対象企業にとっては予算管理、財務管理上の実務において多大な混乱を招くケースが少なくない。対応の改善が望まれる。
・ 恒久的施設(PE: Permanent Establishment)課税について、現行の企業所得税法においては、中国非居住者に対する徴税管理がより明確に規定されているが、最近の傾向として各地でPE課税の認定における税務問題が頻発している。PE 課税の認定にあたっては、これまでと異なる解釈で突然問題視されるケースも少なくなく、速やかに税務当局から明確なガイドラインが示されること及び駐在員関連人件費の立替送金が滞ることのないよう税務当局の画一的な対応が望まれる。
・ 現在中国では、従来の「企業会計制度」と国際会計基準(IFRS)に近いと言われている新「企業会計準則」の2 つの制度が存在している。法的には新「企業会計準則」の適用対象は、中国上場企業および特定業種企業、大型国有企業のみが義務化されるとともに、各地で2010 年或いは2011 年から適用が開始されたが、中国全土で一律の対応となっていない。統一した対応が望まれる。