11. 造船分野における<建議>
①過剰建造能力:現在、世界造船市場は過剰建造能力の状態にあるため国営・民営問わず新たな建造施設の建設及び拡大は行うべきではない。また、供給過多は市場原理によって調節されるべきであり、資金提供など特別な助成措置を講じることは望ましくない。供給過多に対応する造船業支援を実施するのであれば、建造能力の縮小に繋がる政策を行うべき。
②「船舶産業の調整と振興計画」-措置の徹底: 過去において、地方の民営企業や外資企業の中には中央政府の方針(外商投資産業指導目録など)に反し、中央政府による承認が必要な施設にも拘わらず独自の判断で建設が行われたケースも見受けられた。「船舶産業の調整と振興計画」については、地方の民営船舶企業を含め統一した措置が取られることが望まれる。
③外資企業に対する借入金規制:中国では外資系企業が外貨建保証(親会社保証、銀行からのスタンドバイL/C 等)の付いた人民元や外貨を調達する場合、総投資額から資本金を差し引いた額を上限とする「外資負債枠」という規制がある。そのため外資企業に対する借入金規制の撤廃、又は借入金の制限に関係する総投資額と資本金の比率の是正を要望する。
④修繕船舶対応:中国の造船所や港で船舶の修繕を行う場合、交換部品、修理用資機材などの輸出入の手続きや保税区での出し入れの手続きに時間を取られ円滑な修繕の実施が困難になっている。そのため船舶修繕に係る部品などの税関手続き等の簡素化を要望する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年4月19日