「中国経済と日本企業2011年白書」に産業別の建議(製造業)

「中国経済と日本企業2011年白書」に産業別の建議(製造業)。

タグ: 「中国経済と日本企業2011年白書」製造業

発信時間: 2011-04-19 19:08:36 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

6. 鉄鋼分野における<建議>

① 中国政府の構造調整政策について:中国鉄鋼業は、第11 次五カ年規画期間における「鉄鋼産業発展政策」(05 年)、「鉄鋼産業調整・振興規画」、「2009 年旧式設備淘汰業務の割り当て実施に関する通知」(共に09 年)、「旧式設備淘汰の更なる加速に関する通知」(国務院2010.2.6)、「省エネ・排出削減強化、鉄鋼産業構造調整促進に関する若干の意見」(国務院弁公庁2010.6.4)、「鉄鋼業生産経営規範条件」(2010.6.21)等の基本方針に沿った施策を推進した結果、①旧式設備淘汰による省エネ・排出削減、②企業統合・再編による産業集約度の向上、③鉄鉱石流通秩序の規範化推進について着実な成果を収めたものと認識している。2011 年からの第12 次五カ年規画においても、政府は従前以上に施策を加速するよう指導するものと考えられるが、日本鉄鋼業として、引き続き上記施策の推進を全面的に支持し、最大限の協力を行う所存であり、2011 年は具体的な目標達成に向け、目に見える形での貢献を果たしていきたい。

② 鉄鋼生産について:2010 年は第11 次五カ年規画の最終年であり、同計画の省エネ・排出削減目標を達成するため、高エネルギー消費産業に対する電力供給制限や生産自粛指導等により、9 月以降、鉄鋼生産規模が減少し、2010 年の粗鋼生産は対前年10%程度の増加になった。(2009 年は対前年+ 13%の伸び)。しかし、2010 年前半は供給過剰状態にあり、メーカー・市場在庫ともに史上最高レベルとなる等、需給バランスの大きな乱れが懸念された。日本鉄鋼業として、中国鉄鋼市場における「需給均衡」(=実需にミートした生産レベルの自律的な維持・確保)に向けての中国鉄鋼業の取り組み強化に期待するとともに、中国市場に関するマクロ的な需給情報を共有化することで、東アジアにおける市場の安定化に寄与していきたい。

③ 鉄鋼貿易について:新興国における鉄鋼生産能力の拡大が世界(特にアジア地域)の鋼材貿易市場に対して今後どのような影響を与えるのかを注目しているが、もし、中国の過剰生産能力が海外市場に振り向けられるようなことがあれば、世界的な鋼材需給に深刻な影響を与えかねないことを懸念している。中国政府・鉄鋼業に対し、世界の鉄鋼貿易市場の安定確保を念頭に置いた鉄鋼産業政策の立案・推進を要請するとともに、2国間・地域間の対話メカニズム等を通じ、輸出市場安定化に向けた議論を深めてゆきたい。

④ 環境保全・省エネについて:2010 年は、第11 次五カ年規画の省エネ・排出削減目標達成のため、高エネルギー産業に対する電力供給制限、生産自粛指導等によりCO2 排出量削減が強制的に推進されたが、これらの動きとは別に、中国鉄鋼業の環境保全・省エネ向上への取り組み強化の必要性が高まっている。日本鉄鋼業は、2005 年7 月にスタートした日中鉄鋼業/ 環境保全・省エネ先進技術交流会(その後の専門家交流会)での議論を通して、中国鉄鋼業の省エネ・排出削減に貢献してゆきたいと考えている。また、中国鉄鋼業には国際的協力事業の一環であるアジア太平洋パートナーシップ(APP)等に対して引き続き積極的参画・貢献を期待している。

⑤ 統計:中国鉄鋼業が実需にミートした生産レベルを自律的に維持・確保し、また、業界全体の構造調整政策を円滑に推進するためには、広範囲の鉄鋼関連統計システムの確立・運用が不可欠である。中国鉄鋼業は、すでに相当程度の鉄鋼関連統計(メーカー在庫を含む)を整備済みであるが、日本鉄鋼業は、日中鉄鋼統計交流会等を通じ、上記目的達成に不可欠な鋼材需要部門別受注や流通・ユーザー在庫等に関する統計システムの整備について、可能な限りの協力を行う所存である。 中国鉄鋼業の質的向上の基礎となる各種統計システムの整備・拡充に向けた一層努力を期待している。

 

     1   2   3   4   5   6   7   8   9   10    


日本人フルタイムスタッフ募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。