天災の深刻な影響が現れるのは今後
日本震災地への募金活動に参加する中国人留学生
しかし、震災、津波、原発事故が日本留学市場に落とした影は大きい。それは、主に以下の点から見ることができる。
1、新入生入学の遅れ、取り消し、減員。4月入学生が9月入学生と同時に入学し、学校側のプレッシャーとなっている。9月入学生は様子をうかがっている状態。
2、在校生の休学や退学。著者が在籍する東京の大学では180名の留学生のうち、2名が退学、9名が休学している。
3、交流留学生の中途退学、帰国。
4、交換留学生計画の取り消し
最も大きなダメージを受けているのが専門学校や日本語学校である。東京都内の専門学校は、そのほとんどが授業開始を6月に延期した。また、減員は全体の15%に達する可能性もある。日本語学校にとっては、今回のダメージは致命的である。
日本に留学し、卒業後は日本で安定した職に就くというのが、日本華僑社会安定のための主流であるため、留学生の減少によってまず心配されるのが、長きに渡って成長を続け80万人に達した在日中国人社会が、その停滞または規模縮小の問題に直面しているのではないかという点である。さらに、日本の華僑社会の「質の変化」も懸念される。
1990年代後期から現在に至るまで、永住ビザ取得者が帰化する者より多い状態が続いている。毎年、平均して5千人ほどが日本国籍に入るが、永住ビザを取得する者はその倍の1万人ほどである。留学生という若いエネルギーの欠落により、在日中国人社会はその世界唯一の「華僑」社会としての特質を失い、すぐに「華人」社会へとその姿を変えてしまう危機にあるのではないだろうか。これに対し、日本の華僑社会はどのように対応すべきなのか。これらは我々が今から真剣に考え、そして行動しなければならない問題である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月24日