食事に誘われて満腹できないからといって、ホスト役がケチなわけではない。これが日本料理の特徴なのだ。「和食は目で楽しむもの」という言い方がある。すなわち、日本料理は食品の色や形の美しさ、店の風格、器との調和を重んじる。一般的な日本料理店では、入り口やエントランスに人工の山が作ってあり、川が流れ、木が植えられている。スタッフは和装で客にひざまずいて食事や酒の接待をする。器もいろいろあり、丸いもの、変わった形のもの、高さがあるもの、平たいもの、陶器、木製。漆器はよく使われる。日本は海鮮が豊富でその新鮮さや色を最大限引き出し、生で食べさせることを重視する。四季がはっきりしていて、その時期のものを食べることを大切にする。菜の花が芽吹く時は、日本人は菜の花をよく生食やてんぷらで食べる。
形の美しさを追求するので、1皿の料理の量は多すぎてはいけない。だが、値段は驚くほど高い。前回行ったやや高級な和食屋では1人当たり2万円(人民元1230元相当)を下らなかった。日本料理の高級さは、珍しい山海の珍味がどれほど使われているかではなく、どれほど美しく見えるか、サービスが満足できるかにある。材料を吟味するなら、新鮮な地場のものが各地にある。刺身は現地でしめて、現地で作る。神戸の牛肉は100gで3000円以上する。アメリカ輸入牛の10倍以上だ。
日本料理のもう一つの特徴は味があっさりしていることだ。これは中国人が満腹できない原因だ。もちろん栄養価は十分だが、油が足りないので口に合わない。ある人は日本料理の特徴を「五味、五色、五法」といっていた。「五味」とは甘い、すっぱい、塩辛い、苦い、辛い。「五色」は白、黄、赤、青、黑。「五法」は生食、煮る、焼く、揚げる、蒸す。基本的に油は使わない。揚げ物には植物油を使う。低カロリーで低脂肪。くわえて豆製品が多用される。これが日本人長寿食の秘訣といえよう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年9月29日