大地震・オリンパス事件に見る日本の新聞の「失格」

大地震・オリンパス事件に見る日本の新聞の「失格」。 新聞社側は「景気が悪くなったから」「インターネットが普及したから」などの理由をあげつらうが、正しいジャーナリズムが欠如していることがその原因であるとは誰も言わない。世論形成に大きな影響力をおよぼす報道記者やプロライターが生まれにくくなっている日本の現況では、閉塞した社会に変革を起こすのはすでに難しいことになっているのだ…

タグ: 大地震 オリンパス 新聞 電子版 メディア

発信時間: 2011-11-18 14:06:09 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

もう一つ、国民を嘆かせた事件と言えば、オリンパス事件である。事件の発端は、今年7月、月刊誌「FACTA」に、英企業M&A案件の仲介手数料としてオリンパス株式会社が米投資助言会社に買収総額の36%(約660億円)の報酬を支払っていたことを暴露されたことから始まる。巨額損失隠し問題は日本では大きく取り沙汰されるはずであるのに、日本の大手マスコミからの追及はまったくなかった。10月14日、オリンパスは英国人CEO(最高経営責任者)を解任し、会長がCEO職を兼任することになったが、10月26日には、世間からの批判や株価急落の責任などを取る形でCEO兼会長もその職から退任している。そしてオリンパス自身がその問題を公開して初めて、日本の大手マスコミはようやく、オリンパスが用意した原稿をその経済版に掲載するようになったのである。

新聞の発行部数が落ち込めば、広告収入も低迷する。東日本大震災により、日本の景気はさらに悪くなり、広告掲載を依頼する広告主も減ってきている今、大手新聞社がオリンパスのような大企業に媚びへつらうことは至極当然なのかもしれない。オリンパスについては、ホームページ上で財務報告書を公開しているし、事件を取り上げている雑誌社も少なくない。だが、大手新聞には、その不正行為を追及するような記事は一切掲載されていない。東証1部に上場するほどの大企業から、これほど大きな不正会計処理事件が起こり得たことや、暴力団に利益供与があったことなど、本来であればマスコミがこぞって食いつく内容であるはずだ。だが、マスコミ各社は官僚だけではなく大企業にも気を遣うようになってきている。報道せざるを得なくなった段階に来ても、企業が用意した原稿を掲載するだけでその面目を保とうとしている。

2011年、日本の新聞紙の発行部数は前年比約40万部減で、来年はもっと減るとされている。新聞社側は「景気が悪くなったから」「インターネットが普及したから」などの理由をあげつらうが、正しいジャーナリズムが欠如していることがその原因であるとは誰も言わない。世論形成に大きな影響力をおよぼす報道記者やプロライターが生まれにくくなっている日本の現況では、閉塞した社会に変革を起こすのはすでに難しいことになっているのだ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月18日

     1   2  


日本人フルタイムスタッフ募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。