明治の粉ミルク「明治ステップ」の一部から放射性セシウムが検出されたと発表後、日本の消費者の間で強い不安が広がっている。この影響を解消するため、日本の大手乳業各社は放射性物質の検査を強化し、会社のホームページで検査結果を公表すると発表した。日本政府も今後、粉ミルク製品の定期検査を実施する方針だ。
◇日本政府の冷ややかな態度
東日本大震災と福島第1原発事故の発生からすでに9カ月が経った。事故後の収拾は進められているが、2次被害への懸念は消えるどころか、益々膨れるばかり。なかでも最も典型的なのが、日本の食品安全への信頼危機だ。
収穫期の秋以降、福島県産の米から次々と基準値を超える放射性セシウムが検出され、出荷が禁止された。また、原発事故処理に使った大量の冷却水を海に排出すれば、日本の水産業に壊滅的打撃を与える。今日本のどの関連産業も不安を抱えている。
より懸念されるのは、日本政府の問題処理の態度だ。今回の明治粉ミルク事件発覚後、日本政府は外部に「最後まで責任を持つ」というメッセージを送る行動を何一つ取らなかった。この事件について日本のメディアも、周知の事実を報道するだけで、深く追跡したり、問いただす様子はみられない。あたかも事件は制御可能な範囲にあるかのようだ。
「問題の粉ミルクを毎日飲んでも健康への影響はない」「検出された放射性セシウムの含有量は国の安全基準値を超えていない」。こうした発言は政府関係者の口癖で、新しい問題が発生すると、彼らはこれを繰り返す。乳製品の1キログラム当たり200ベクレルという安全基準値は緩すぎると学者が指摘しても、農産物の放射性物質検査の多くを農家が自ら行っても、日本政府は何も変更する気配はないようだ。
◇農業構造の転換に影