日本人はなぜ砂漠に植林するのか

japanese.china.org.cn  |  2012-01-10

日本人はなぜ砂漠に植林するのか。20年ほど前、中国で砂漠緑化の父と呼ばれる83歳の日本人・遠山正瑛氏は、内蒙古の恩格貝(エンゲルべい)で植林を始め、97歳で亡くなるまで14年間も続けた。その植林事業は今も日本沙漠緑化実践協会に参加する数多くの日本人に受け継がれている…

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発信時間:2012-01-10 11:14:29 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

張梅=文 日本沙漠緑化実践協会=写真

20年ほど前、中国で砂漠緑化の父と呼ばれる83歳の日本人・遠山正瑛氏は、内蒙古の恩格貝(エンゲルべい)で植林を始め、97歳で亡くなるまで14年間も続けた。その植林事業は今も日本沙漠緑化実践協会に参加する数多くの日本人に受け継がれている。協会の名前が「砂漠」ではなく、「沙漠」と書くのは、砂漠の地下に水があるからこそ植えた木が生きられるのだと、協会の人々が確信しているからだという。

植林参加のきっかけは?

植林活動に参加する山中勝美理事

協会の山中勝美理事は、もともと日本の著名な大企業――日立に勤務していた。植林に参加したきっかけは、「現代用語辞書についていたNGOやNPOを紹介する付録冊子を何気なく眺めていたら、この協会のことが出ていて、中国で砂漠緑化に取り組んでいることを知った」ことだという。山中理事は2001年に103次隊に初めて参加した。そして、翌年は砂漠に半年も滞在した。「103次隊で行った後、58歳のとき、植林に行くために43年勤めた会社を辞めてしまいました」

植林に参加するには、時間や労力だけでなく、渡航費用も負担しなければならない。そのため、参加者には高齢者が少なくない。今年86歳の松村房子さんは、旧制女学校を卒業した後で、中国江蘇省南通市のカネボウに勤めていたことがあるため、中国に深い感情を持っている。遠山正瑛氏の弟の遠山正憲氏とは古くから面識があり、早くから正憲氏に植林に誘われていたが、ようやく十年ほど前に家族の同意を取り付け、砂漠に行けるようになったという。「もう若い人たちのようなことはできないから、できるだけのことをやっています。私は子どものころから、信州の山の中で育っていますので、掘ったりすることは、自然に身についているのですね。大体15分ほどで一本の木を植えられますよ」という松村さんは、「植林すると、元気になりますよ」と笑う。ところで、砂漠に比べれると日本では植林しようとしてもそう簡単ではない。ある時、砂漠から持ってきた苗を東京の公園に植えてみたが、結局誰かに抜かれてしまった。東京では、植林するにも許可がなければならないのだ。広々とした砂漠にはそうした厳しい制限がない。

恩格貝で植林に取る組む松村房子さん

参加者には、高齢者のほかに若者の姿も乏しくない。ここ数年、愛知大学、名古屋産業大学、名城大学、法政大学などから、多くの大学生が夏休みを利用して植林活動に参加している。彼らの多くは大学で砂漠や環境に関係した学問を専攻している。昨年、法政大学から約30人の学生が植林に参加した。女子学生が25、6人と、大半を占めていたが、彼女たちは、サジー(沙棘)というジュースの原料になる植物の研究のために参加したのだという。植林にかかる渡航費用は自己負担となるため、経済的に豊かでない学生は砂漠から戻ったらアルバイトに精を出さなければならない。そこまでして植林に行く意義について、「日本では、手を出せば、水が出てくるような生活です。このため、砂漠で水の貴重さを知って、みなすごく感動するようです」と松村さんは語る。

砂漠に起こる大きな変化

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