外川: 地震発生直後から社長を本部長とする災害対策本部を設置し、取引書店の被害状況の把握に努め、本支店から現地に職員を派遣し復旧支援に全力を挙げてきました。
書籍を扱う会社ですので、「日“本”の力を信じてるプロジェクト」を立ち上げて、様々な復興支援策を同時並行で実施。被災地への図書寄贈、チャリティ同人誌の書店販売、災害医療コンテンツの無料配信などを行い、被災により書店店舗での営業再開が困難だった気仙沼市、石巻市、塩釜市の3ヶ所では地元の書店に協力し、出版物の移動販売や青空販売の支援を実施したことは、書店の再開を心待ちにする多くの被災者から喜ばれました。現在も進行形で支援を続けています。
中国網:さて、中国での具体的な展開についてですが、御社は2010年には中国出版集団公司、中国図書進出口(集団)総公司、株式会社中国メディアとの合弁で設立した新会社「中国出版トーハン株式会社」を設立していらっしゃいます。中国進出の経緯をお聞かせください。
外川:「中国出版トーハン」については、中国図書進出口(集団)総公司からの要請により、「中国のコンテンツを世界へ」の方針に、協力するかたちで日本で作られた合弁会社です。主な業務として、中国の出版物の輸入、翻訳出版をしております。どちらかといえば、中国のものを日本で紹介していく会社ですね。中国進出というのとは少々趣が違います。
中国網:なるほど、中国のものを日本で紹介するというお役目もあるのですね。
さて、読者も興味があると思われる、日中の書籍やコンテンツの貿易状況についてお聞きします。現状、どれくらいの交流がありますか?御社のお立場からはまた今後、どのように発展していくとお考えですか?
外川:貿易上の具体的なデータは申し訳ないですが、申し上げられないですね。
中国との貿易は50年以上の歴史があります。当初は専門機関、図書館、大学向けの自然科学書や技術書といった専門分野に限られていました。
ここ10年は女性誌、実用書、小説などの分野も関心が高まっています。
今後は書店、NETでのアニメ、コミック、アイドルといった分野が拡大すると思われます。