中国人民解放軍某部が東中国海で10日から5日間の日程で実弾演習を実施するという情報は、周辺国から大きな注目を集めた。日本政府と東京都が釣魚島購入という「茶番劇」を繰り広げていることから、韓国メディアは、中国の今回の東中国海での演習は日本に対する警告だと分析。韓国紙『文化日報』は9日、中国の領海争いにおける戦略は「ASEANと和解し、日本と争う」というもので、両地域に対する中国の外交の微妙な違いを示すと論じた。
同日付のシンガポールの華字紙『聯合早報』によると、中国海軍が東中国海海域で演習を行うことは珍しいことではない。中でも注目を集めたのは、米韓の黄海での合同演習に対応し、2010年6月30日から7月5日にかけて舟山から台州以東の東中国海海域で実施した実弾射撃訓練である。これまでの軍事演習と比べると、今回は演習の範囲が2010年のときより拡大したが、近ごろ関心が高まっている黄岩島や釣魚島からはまだかなりの距離があり、争いのある海域ではない。
韓国紙『中央日報』は9日、「釣魚島の国有化を望む日本 実弾演習を実施する中国」という見出しで、中国の今回の東中国海での演習は日本に対する警告だと見られていることを伝えた。
『文化日報』は解放軍の東中国海での演習について、次のようにも分析。中国の領海争いにおける戦略は「ASEANと和解し、日本と争う」というもので、海上での領有権争いのあるフィリピンやベトナムなどのASEAN諸国に対して平和的な解決という原則を何度も強調する一方で、日本に対しては「あらゆる必要な手段を採る」という強硬な姿勢を示している。これは両地域に対する中国の外交方針の微妙な違いを示す。中でも、解放軍が10日から15日にかけて東中国海で実施する実弾演習は、日本に対する警告だと見られている。
さらに同紙は、「東中国海の大陸棚境界における中韓の見解に大きな違いはなく、いずれも沖縄近海の海溝が境界だと主張している」とし、中韓両国はこの問題において共同で日本に対応すべきだと呼びかけた。
『朝鮮日報』は、中日両国の釣魚島をめぐる争いの激化、日本政府が発表した釣魚島「国有化」方針は、両国関係に国交正常化40周年以来最大の危機をもたらすと評論。1972年の国交正常化時、双方は釣魚島に対して主権問題に立ち入らないという「暗黙の了解」を取り交わした。日本政府が「国有化」すればこれを破ることになり、中国政府は対応に乗り出す可能性がある。また『中央日報』は、「日本は民主党にも自民党にも右翼争いがあり、中国をけん制するため、米国は日本の右翼勢力の台頭を容認している。軍事大国にまい進する日本に障害がなくなり、その歩調は速まっている」と論じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年7月10日