日本の首相が益々右寄りになり、政界の右翼的なムードが日に日に色濃くなってきているのには歴史的な要因もあり、日本の現状も影響している。歴史的な要因で言えば、日本の右翼思想は明治維新のときに誕生し、まるで幽霊のように日本社会に潜んでいた。1920年代、このような右翼思想は軍国主義に姿を変え、アジア諸国に対する侵略戦争へと日本を導いた。第二次世界大戦後、アメリカが口出ししなかったことで、軍国主義的な思想は完全に消えることはなく隠れ潜み、様々な場面で攻撃的な姿を露にしている。
日本の現状に起因するところを見ると、近年の日本の不景気、特に米サブプライムローンをきっかけとした金融危機や、原子力発電所爆発事故による放射能漏洩という二重の打撃に遭い、日本経済の回復の見通しは立たなくなってしまっている。一般的なパターンからすると、経済が停滞し、その上解決策も見出せないときには、政治が右翼に傾くことが多い。日本は元から軍国主義が色濃く残っている国であるため、なお更だ。日本の国力が低下している状況の中、右翼思想が再び台頭するのは必然的なことであると言える。
現在の日本は、第二次世界大戦前の日本の姿と驚くほど似ている。当時同様、長期的な経済の低迷は回復の手立てもなく、当事の世界大恐慌の打撃と同じように、今は金融危機の影響を受けている。また、当時は関東大震災に遭い、今日は原発事故の被害に苦しんでいる。第二次世界大戦前、日本の軍国主義は機を狙って姿を現し、国内の矛盾を払拭するために、横暴にも侵略戦争へと日本を駆り立てたのである。今、右翼思想は再び台頭し始め、対外政策においても益々強硬な姿勢になり、何度となく、戦争をすることも辞さないという態度で周辺国家を威嚇している。日本は第二次世界大戦の二の舞を演じるのだろうか、しっかりと注目しておく必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年9月4日