中日の駆け引き 重点はエネルギー・資源分野
将来的に見て、中日間の駆け引きで最も重要となるのは、やはりロシアのエネルギー・資源分野だ。
昨年の「東日本大震災」後、日本の電力の3分の1を担っていた原発は、ほぼ全て稼動停止となった。この深刻な電力不足は、従来エネルギーで長期的にまかなっていくしかない。日本にとって何より大切なことは、ロシアからの長期的かつ安定的エネルギー供給を確保することである。
中国とロシアを結ぶ原油パイプラインは2011年1月1日に開通している。今後20年間、中国の大慶製油基地には常にロシアからの原油が注がれる。これは長期的かつ困難な交渉の結果であり、日本との駆け引きの中で勝ち取った成果でもある。
一方の日本もロシア石油・天然ガス川上産業の重要プロジェクトへの参加に成功した。日ロエネルギー協力の行方は世界が注目するところである。
日ロ両国は今年6月22日に協力協定を結び、ロシア極東・イルクーツク地域の石油・天然ガスの共同地質調査を実施することで合意した。その2日後、両国はウラジオストクの液化天然ガス(LNG)基地建設プロジェクトへの民間企業の参画をめぐり、協力覚書に署名した。日本は同プロジェクトを通じて両国間のLNG貿易を拡大することができる。
中日間駆け引き 北極海にまで影響か