モスクワから9200キロ離れたウラジオストクは、ロシアが東方を護るための門戸である。9月8-9日、ロシアが初の議長国を務めるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議がここで開催される。
WTO加盟及び極東開発 巨大なビジネスチャンス到来
ロシアが今回の首脳会議で達成したい目標とその強い意欲は、非常に明確なものである。それは、ロシア東部経済の発展戦略を推進し、同地域における国際協力の見通しを示すことで、自国のアジア太平洋地域における影響力を拡大し、当該地域秩序の今後の動きをリードすることだ。
ロシアの隣国である中国と日本は、地理的優位性を利用し、ロシア東部地区、ひいてはロシア全体と経済関係を発展させることを望んでいる。しかし、上述のロシアの意図と、中日の対ロニーズが一部重複していることから、今後、対ロ経済関係の発展をめぐる中日の駆け引きは避けられないだろう。
中国は2011年にロシア最大の貿易パートナーとなり、2国間貿易額は史上最高の835億ドルに達した。ロシアはこの額を2015年までに1000億ドルに、2020年までに2000億ドルにすることを望んでいる。プーチン大統領は6月5日訪中の際、中国側と観光、原発、工業等多分野にわたる11の協力協定を結んだ。
今後、中国と日本の工業製品はロシア市場で競争を繰り広げ、自らの進むべき道を開拓していくこととなる。
中日の駆け引き 重点はエネルギー・資源分野