今年9月10日、日本政府は中国の釣魚島およびその付属島嶼を購入し、いわゆる「国有化」を行うと宣言した。10月17日、日本自民党の総裁、閣僚数人、国会議員数十人が、侵略戦争を起こした東条英機など第2次大戦のA級戦犯14人をまつる靖国神社を参拝した。戦後過去の歴史を徹底的に清算して深く懺悔(ざんげ)を行い、欧州各国民の理解と信頼を得たドイツとは、対照的だ。もし今日の欧州で第2次大戦の歴史と成果を否定し、ヒトラーとその他の戦争首謀者をまつり上げる国が現れたとすれば、欧州の人々はどう思うだろうか。釣魚島問題の激化は日本側の誤った言動によるもので、すべての責任は日本側にある。
いずれも2回の世界大戦を経験した中国とベルギーの国民は、戦渦の中で互いに助け合い、厚い友情を結んだ。第1次大戦中、欧州に渡った中国人労働者14万人のうち、約5万人がベルギーのウェスト=フランデレン省イーペル市とその周辺地区で働いていた。そのうち1874人がベルギーとフランス北部の共同墓地に埋葬されている。2010年4月23日には、こうした中国人労働者を追悼する特別展が市内のフランダース戦場博物館で開催され、戦争の終結と平和の実現に対する貢献が認められた。
両国間にはほかにも感動の逸話がある。第2次大戦中、ナチスドイツの侵攻を受けていたベルギー・イクセル市に留学中だった中国人女性、銭秀玲さんは、ドイツ軍の高官が暗殺された報復としてゲシュタポ(国家秘密警察)の人質となった市民97人を、勇気と知恵を振り絞って救い出した。イクセル市には、銭さんの名前にちなんだ通りがある。同市の市長は「当時、私の父も銭さんに助けられた。銭さんの助けがなければ、私は生まれていなかった。私は銭さんの孫のようなものだ。中国人はもちろん、ベルギー人にとっても銭さんは誇りだ」と語った。
中国は平和を愛する国だ。一貫して世界と地域の平和・安定の維持に取り組んでいる。現在の世界的な金融危機と欧州の財政危機を背景に、中国は積極的かつ責任ある態度で、欧州連合(EU)や世界各国と力を合わせ、困難に立ち向かっている。中国が自国の主権、安全、領土保全を守るのは、至極当然のことだ。領土・領海・海洋権益をめぐる隣国との争いを、友好的な話し合いにより平和的に解決しようと終始努めている。日本が歴史と現実を直視し、情勢をはっきりと認識して誤りを正し、話し合いによる解決という正しい道に戻るよう願っている。(編集YT)
「人民網日本語版」2012年10月27日