1972年の中日国交正常化と1978年の平和友好条約の協議の過程で当時の両国首脳は大局に着眼し、「釣魚島問題は棚上げし、解決を将来に委ねる」という重要な共通認識を確立した。それによって中日国交正常化の重大な障碍は取り除かれ、中日関係および東アジアの地域の平和と発展、協力の新たな時代が訪れた。ここで特に強調しておく必要があるのは、1972年に調印された「中日共同声明」の中で日本政府がポツダム宣言第8条の立場を遵守、つまりカイロ宣言の条件を必ず実施すると明確に約束したことだ。カイロ宣言の条件とは何か。周知の通り、日本が中国から盗んだすべての領土を返還するということだ。
中日国交正常化を身をもって体験した多くの著名な学者、村山富市元首相、および宮本雄二元駐中国大使ら日本の元大物官僚、さらにはこの間の歴史を知るキッシンジャー博士など米国の元要人までが中日の間で当時交わされた釣魚島問題をめぐる共通認識の真実性を相次ぎ指摘している。どうして史実を否認し、真相を抹消することなどできようか。日本政府は「島購入」という茶番劇を演じることで双方が釣魚島問題で確立した共通認識を帳消しにしようとしているが、結果はそれとは裏腹に、日本国内外でその恥知らずな言い逃れに非難の声があがっている。つまり自らの足に石を落としたようなものだ。次から次へと明かされる有力な事実を前に、日本政府の詭弁はなんと無力で、外相の欧州遊説もなんと滑稽だろうか。訪問した国から冷遇されるのもムリはない。