宮本・元駐中国大使を単独取材 関係修復には「冷却期間が必要」

人民網日本語版  |  2012-11-27

宮本・元駐中国大使を単独取材 関係修復には「冷却期間が必要」。

タグ:宮本雄二,中国大使

発信時間:2012-11-27 15:45:59 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

資料写真:宮本雄二氏

「知中派」のベテラン外交官として知られる宮本雄二氏は、2006年-2010年の間に駐中国大使を勤めた。その間、小泉純一郎元首相の数回にわたる靖国神社参拝によって損なわれていた中日関係の修復に積極的に立ち回り、安倍晋三元首相による「氷を砕く旅」の実現に尽力した。胡錦濤国家主席の訪日の際には、「戦略的互恵関係の包括的推進に関する中日共同声明」の締結など重要な外交活動にも参与した。現在は日中友好会館副会長を担当している。

人民網はこのほど、中日外交の当面の難局について、宮本氏に書面インタビューを行った。書面インタビューの内容は以下の通り。

質問1 日本は中国に対し、経済・貿易・金融の分野では中国との協力を重視し、政治・軍事・地政学的戦略などの面では中国を脅威とみなす「軍経分離」の政策をとっているとの見方があるが、これをどうみるか。こうした政策は両国のさらなる協力の妨げとなるか。

宮本氏 日本が、そのような政策をとった事実はない。しかし経済と軍事安全保障は異なるロジックで運用されており、その矛盾を人類は克服できていない。すなわち、グローバル経済の深化は、領域を超えて人、モノ、カネが行き合う、相互依存の、ウィン・ウィンの世界をつくりだした。だから協調し、協力し合わなければならない。これが経済のロジックだ。他方、軍事安全保障の世界は、孫子の「兵者詭道也」に代表されるように、相手に対する不信感を前提にして、相手は自分が弱ければ攻めてくる、勝つか負けるかの、相互排斥の二者択一的な、経済とは全く異なる世界観を持っている。この二つの世界観の矛盾対立は、別に日本だけではなく、世界中どこにでもある。この経済と軍事という、場合によっては矛盾対立する二つの重要な要素を合理的に統合して、国家の基本政策はつくられなければならない。日本の基本政策は、日中戦略的互恵関係の構築である。日中戦略的互恵関係の強化にマイナスの要素を如何にして減らし、プラスを如何にして増やしていくか。軍事安全保障分野において、そのためになされるべき日中の共同作業は極めて多い。

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