トリマラン型の浮力の80%以上は中央の主体から提供される。左右の船体の排水量は、主に主体の安定性の損失を補うため用いられる。この「鼎立」の長所は、高い安定性と波に対する耐性だ。そのためトリマラン型は特に、高速で航行する戦艦、および高い安定性を必要とする科学調査船や救助船に向いている。
卓越したステルス性能も、トリマラン型の大きな特長だ。細長い船体はスクリューの水流による影響を受けにくく、敵側のソナーにより探知される可能性が低い。船内の排気ガスは主体および左右の船体から排出され、熱放射を大幅に減少できる。トリマラン型の全長・全幅は単胴艦を上回り、ステルス化を施しやすい。左右の船体が攻撃された場合も、バランスを失い沈没することがなく、水面艦の戦場における生存能力を高めることが可能だ。
トリマラン型は現在、新型船舶の研究の「寵児」となりつつある。米英等の海軍強国は、「トリマラン型や5胴船を始めとする技術が、21世紀の海軍の面目を一新するだろう」としている。日米は同技術の今後に期待しており、今回の提携に至った。
近い将来、トリマラン型の技術問題の解決に伴い、「海獣」ファミリーに巡洋艦、護衛艦、駆逐艦、さらには空母といったメンバーが加わるかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年1月21日