日本は得たものと失ったものを振り返ると同時に、大と小の選択をしなければならない。20世紀初頭、日本では「大日本主義」と「小日本主義」の争いがあった。前者は軍国主義と侵略による拡張を主張し、後者は平和主義と産業立国を主張した。軍国主義勢力が日増しに台頭する中、「大日本主義」は戦前の日本社会の主な思潮になった。日本軍部のファシストは「大日本主義」の実践により、1942年までに外国で700万平方キロの土地を占領した。大であることは大であるが、それは美しくもすぐに破裂するシャボン玉のようなものであった。3年も経たずに、日本の敗戦により大東亜共栄圏という夢まぼろしが、完全な破裂を宣言された。
「小日本主義」を主張した日本の有名な政治家・評論家の石橋湛山は戦後、「陸海軍が消滅し、小日本主義を実現する絶好の機会が訪れた」と考えた。「小日本主義」は戦後の日本に、「経済大国」、「科学技術大国」といった、正真正銘の「大」の肩書きをもたらした。石橋湛山があの世から、現在の安倍首相が国防軍を復活させ、改憲により天皇制を復活させ、東アジアの覇権を握ろうとしているのを見たならば、日本が「大日本主義」の二の轍を踏むことを懸念するだろう。日本の侵略・植民地統治に苦しめられたアジア各国の人々も、「被害者の我々は、『目には目を歯には歯を』で戦争による報復を選択しなかったが、日本はまだ厄介事を起こそうというのか。現代の戦争では一撃に耐えない狭い国土、高度集中の産業配置、超高齢化の人口構造で、日本はさらにどんな厄介事を起こそうというのか」と日本に問いかけざるを得ないだろう。(馮昭奎:中国社会科学院日本所研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年5月23日