原発汚染水漏えい問題に苦しむ日本は米国のシェールガス革命など国際的なエネルギー情勢の変化を受け、エネルギー戦略の「リバランス」とも呼べる大調整を行っている。
第1の「リバランス」は生産者から輸入者への移行。明治維新以降、日本の工業化は主に国産の石炭を頼りにしてきた。60年代日本は急速に石炭から中東からの石油輸入に転向し、原子力発電事業を発展。「準国産エネルギー」である原子力発電が占める総発電量の割合は拡大し続けた。2011年の福島原発事故発生後、日本は50基すべての原子炉の運転を停止、天然ガスや石油、石炭の輸入を大幅に増加し、エネルギー輸入国に逆戻りせざるを得なくなった。
第2は、エネルギー構造が天然ガスに移行。原発事故発生前から日本は世界最大の液化天然ガスの輸入国だった。事故発生後、日本は天然ガスの輸入をさらに拡大。天然ガスを輸入エネルギーの第一候補にあげ、2020年度から30カ所で液化天然ガス(LNG)の火力発電所の運転を開始、同年に運転を開始する石炭の火力発電所を3カ所にとどめる計画だ。