第3は、天然ガスの輸入元を中東から北米・オーストラリアに移行し、そのエネルギー輸送の重点ルートを太平洋航路に移していく。日本は中東の石油にかなり依存している。2012年の中東からの石油輸入は全体の74.9%を占めた。ちなみに2011年は87%だった。中東情勢は不安定なため、石油価格の高止まりと変動は日本のエネルギー安全を大きく脅かしている。米国のシェールガス革命の進展にともない、天然ガスのうち安価なシェールガスの占める割合が急増し、米国の天然ガス価格は大幅に値下がり、現在アジアが輸入する天然ガスの価格を大きく下回った。日本はすでに2017年に米国から天然ガスを輸入する協議を結んだ。中東からマラッカ海峡、中国の南中国海を通る日本の「南方エネルギー輸送ルート」を引き続き利用すると同時に、今後は「太平洋エネルギー輸送ルート」の利用と航行の安全をより重視するつもりだ。