米タイム誌はこのほど、安倍晋三首相に関する長い記事を掲載した。筆者は、「懺悔のお辞儀は、絶対に安倍首相の風格ではない」という意味深な言葉で記事を締めくくった。安倍首相の頑迷さは4月21日に、現実によって再び裏付けられた。アジアの隣国の再三の抗議を顧みず、安倍首相は再び靖国神社に供物を奉納した。これに先駆け、安倍内閣の閣僚が靖国神社を参拝していた。
靖国神社には第二次世界大戦のA級戦犯が祀られている。日本の指導者がいかに靖国神社問題を処理するか、これは日本がかつての日本軍国主義の対外侵略の歴史を正視・反省できるか否かを直接反映する。安倍首相は再び靖国神社に供物を奉納し、さらに閣僚の参拝を放任し、間違った歴史観の根が深いことを示した。この右翼の政治家は1年余りに渡り狂った夢を追い、公理と正義に背くことも厭わなかった。
春季例大祭の開始前、日本国内の多くのアナリストは、同盟国の主である米国に配慮し、安倍首相は今回の靖国神社問題で自制すると予想していた。昨年末の悪霊参拝後、米国政府がこの動きに対して公式に失望を表明したため、安倍首相は圧力を感じたという分析もある。
しかし今回の婉曲的な参拝の前日、座禅を終えた安倍首相は記者に対して、米大統領の訪日前に平常心を悟ったと話した。安倍首相が独断的に日本を改造し、偏執と傲慢により国際社会の批判に対して反応を示したことを考えると、この「平常心」とは新たな挑発の予兆と感じられる。
日本国内の識者は、安倍首相の間違った言行を強く警戒している。東京都の都民の代表者は4月21日、プラカードを掲げて東京地方裁判所に向かい、安倍首相の靖国参拝に抗議の声を発した。古賀誠自民党元幹事長も公の場で、「安倍首相は国家安全および外交面で、その著しく右傾化した政策を推進しており、国民を不安にさせている」と指摘したほどだ。
安倍首相が率いる日本がその思想と行いを正すことは難しく、東アジア情勢に対して絶えずトラブルを引き起こすだろう。安倍首相が靖国神社に供物を奉納すると、韓国外交部は「安倍首相の行為は村山談話の精神にもとり、日本が主張する積極的な平和主義が、ただの空論にすぎないことを示している」と抗議した。ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授、ケビン・ラッド元豪首相は4月19日に共同で文書を発表し、安倍首相の昨年末の参拝は、東アジア情勢の火に油を注ぐ行為であったと批判した。米国進歩センターで国家安全・国際政策の研究を担当するヴィクラム・シンガー氏は、「日本は誠意を持って戦時中の歴史を見据えるべきだ。そうしなければ、現代の日本の政治における重大な過ちの一つとなる」と指摘した。
靖国神社問題は、日本と隣国の関係を損ねる要素であり、日本自身の負の遺産でもある。安倍首相ら日本の政治家が、この負の資産をあくまでも背負い続けようとするならば、この資産はますます重くなるだろう。タイムは記事の中で、安倍首相に「歴史修正主義者の代表格」、「自民党の右翼」といったレッテルを貼った。このような右翼の政治家がでたらめの「平常心」により勝手放題に振る舞えば、国と民族を損ねることになる。これは日本の悲劇だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年4月22日