7月8日付の豪日刊紙『ジ・エイジ』は、「豪州は日本と対中同盟を結ぶべきか?」と題する記事を掲載した。内容は以下の通り。
安倍首相はオーストラリアを抱き込み、日本とより緊密な防衛戦略パートナーシップを構築しようとしている。オーストラリアには、これに賛同すべきかという大問題が残されている。アボット首相はそうするべきだと判断しているようだが、これは間違っている可能性がある。
安倍首相は日本と肩を並べて戦う同盟国を求めている。安倍首相はすでに、共通の敵国を見つけ出した。集団的自衛権で物議をかもしたのは、平和維持活動や災害救助を促進するためではなく、台頭する中国に対抗するためだ。中国の国力の強化は、日本にとってますます脅威になっている。米国は日本と共に中国に対抗したがっていないように見える。島嶼を巡る危機は、これをはっきり証明している。安倍首相はこれを受け、新しいパートナーの協力を得ようとしている。外交辞令の裏側に隠された、安倍首相の今週のオーストラリア訪問の意図は、オーストラリアを日本の対中同盟に巻き込むことだ。
アボット首相は安倍首相を力強く支持し、同感であることを示した。アボット首相の言行を、中国・日本・米国はこう判断するだろう。アボット首相は、「戦争からすでに70年が経ち、安倍首相が過去の罪を美化しようとしているが、日本軍国主義の復活を恐れる理由はなくなった」と発言した。しかしここには、二つの大きな問題が存在する。
(一)地域の対中同盟を形成し安全を求めるという日本のやり方は賢明か?これは賢明な判断ではない可能性がある。アジアを対立し合う武装集団に分けることが、日本にとって安定的な未来を構築する最良の手段であるようには見えない。
(二)日本にとって有利だとしても、安倍首相はオーストラリアのために考えたことがあるだろうか?これはオーストラリアと中国の関係を損ねるため、軽率には行えない。
しかし中国を刺激することは、オーストラリアが慎重になる必要がある唯一の原因ではない。戦略的に日本とより親密になり、日中関係が悪化した場合、オーストラリアはより安全になるだろうか?今後数十年間の利益が、日本の利益と常に一致すると保証できるのだろうか(特に日米同盟が弱体化した場合)?
アボット首相がこれらの問題を考慮したことを裏付けるものはない。アボット首相はアジアで何が生じているかを少しも理解しておらず、それゆえ安倍首相の目的を理解していないのかもしれない。それから、理解していないふりをしているという可能性もある。アボット首相はアジアの現状を理解しているが、地域の戦略的な対立のエスカレートを受け、オーストラリアの最良の策は刺激を加えることだと判断したのかもしれない。米国との同盟関係を強化し、さらに日本の対中同盟国になろうというのだ。
しかしアボット首相が、これが現実において何を意味しているかを考えたことがあるのだろうかと疑問を禁じ得ない。中日に衝突が生じれば、オーストラリアはどのように反応すべきだろうか?最も冷静なアナリストでさえ、衝突は常に生じうるとしている。米国が真っ先に巻き込まれ、オーストラリアも米国と日本から支援を求められるだろう。安倍首相はオーストラリアが「イエス」と言うことに期待している。しかしアボット首相は、岩礁に対する日本の主張を支持するため、オーストラリアを対中戦争に巻き込ませようというのだろうか?アボット首相の言行からは、これを望んでいるような印象を受けるが、果たして賢明だろうか?
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年7月9日